【第3回 永岡さんの目標と中小企業診断士の醍醐味】
過去の記事:第1回、第2回

大手金融機関の店舗運営マネージャーである永岡さんに、企業内診断士として中小企業診断士資格の活かし方や取得するまでの経緯と今後の活動への意欲をうかがった。第3回では、永岡さんご自身の目標と中小企業診断士の醍醐味を語って頂いた。
会社の看板無しで、生きていける力をつけるための行動
中小企業診断士の資格取得後、永岡さんは自身のキャリアにさまざまな可能性を感じている。特に、会社の看板が無くても、自分で生きていける力をつけたいというのが現在の大きな目標だ。そのため、中小企業診断士の延長線上の勉強を続けている。研究会に参加するなどして、さまざまな情報を仕入れている。
現在、特に強い関心を寄せている分野がある。それは「宇宙」や「衛星データ」だ。過去に参加したセミナーで聞いた事例が印象に残っている。JAXA関連の研究者が、パラシュートが着陸できる土地を探すという依頼を受け、衛星データや国土地理院の建蔽率データを重ね合わせて、適した土地を抽出したという話だ。建蔽率は金融機関の融資などで建物の高さを判断する際に使う、永岡さんには馴染みのあるデータだが、それを宇宙関連の文脈で全く違う視点から活用する事例に触れ、「すごく面白そう」と感じたという。そうした宇宙関連の情報をビジネスでも使えるよう知見として仕入れたいと考えている。
一見つながりが見えないところに、中小企業診断士の醍醐味あり
宇宙のような、一見、現在の仕事とは関係のない分野と、中小企業診断士がどうつながるのか。彼は、仕入れた知識を、自分の取引のある企業や縁のある企業にマッチングする、という可能性に中小企業診断士としての醍醐味を感じている。例えば、ロケット部品のはんだ付け技術のような、地方の中小企業が持つ優れた技術が、思わぬ形で宇宙産業に役立つことがある。
そういった情報を掴んでいないと、企業が持つ技術の新たな活用方法に気づくことはできない。様々なものを仕入れ、それを他の業種で活かすことができるのが、中小企業診断士ならではの魅力だと考えている。企業診断のような典型的な中小企業診断士の仕事だけでなく、時代に沿って必要な勉強をしておくこと、そしてそれが仕事に役立つことが、彼にとっては面白いと感じる点だ。
人脈を活用し、未来に向けて仕事ができるのが中小企業診断士
中小企業診断士資格が広げる可能性について、永岡さんは改めて語る。「中小企業診断士には独占業務がないと言われるが、その分、さまざまな企業と接する機会が多い。様々な会社や業界との『ハブ』となる機会を持っているのが中小企業診診断士の醍醐味だ。さらには、弁護士は事件が起こった後に対処するのに対し、中小企業診断士は事件が起こる前に対応する、つまり『未来に向けて仕事をする』ことができる。アンテナを張り、面白そうだと思ったことに首を突っ込めば、学びや機会が広がっていく。面白くなければやめればいい、という割り切りやすさも面白さだと感じている」
無駄なものが一切ない資格。それが中小企業診断士
最後に、今、中小企業診断士試験の受験を検討している人や、受験中の人たちに向けて、永岡さんからメッセージがある。
「何より、勉強して無駄なものが一個もない資格だと思います。」
お金を稼ぐという仕事をしている以上、どんな業界にいようが、会社員だろうが個人事業主だろうが、中小企業診断士の知識や考え方は必ずどこかで使うことになるからだ。無駄になることが一つもないと思えば、「やらされ感」なく勉強に取り組めるはずだ。大学受験で勉強したことは覚えていなくても、中小企業診断士で学んだことは生きていくうえで、仕事をしていくうえで、その考え方一つ一つが無駄にならない。
その学びを信じて学べばいい。そして、学んだ後には、さらに面白いことが得られる機会がたくさん待っている。これは彼のモチベーションの源泉でもあるが、合格しなくてもすべてが役に立つ資格であることは断言できる、と力強く語った。

中坪 孝太 取材の匠メンバー、中小企業診断士
北海道生まれ。大学卒業後、日用品の製造会社において営業に従事し、営業所長としてマネジメント業務も行う。販路拡大や、お店の売り場づくり、棚割の作成などに取り組む。2021年1級販売士。2025年中小企業診断士登録。東京都中小企業診断士協会城北支部に所属。
