【村上知也さんインタビュー】 活躍する中小企業診断士が増えれば増えるほど、診断士の資格の価値は向上する。

【村上知也さんインタビュー】 活躍する中小企業診断士が増えれば増えるほど、診断士の資格の価値は向上する。

【第2回 活躍する場は自ら作る。その主体性から価値は生まれる】
過去の記事:第1回

【村上知也さんインタビュー】

IT×中小企業診断士で著名な村上知也先生に、活躍する診断士になるためのコツをお聞きするシリーズの2回目。今回は、中小企業診断士として、活躍する場を作る方法についてお話しをお伺いしました。

協会の活動の価値

――協会の活動を通じて活躍する方法について教えてください。

中小企業診断士に合格した後、多くの方が協会に入られます。ですが、飲み会ばかりで、勉強会も何か物足りないと感じる方も少なくないと思います。協会をやめようとしている人もいるかもしれません。ですが、そういう方にこそ、あなたはそこで何を提供しましたか?とお聞きしたいです。会計係や連絡係も必要な役割ですが、それをやりたいから協会に入っているわけではないはずです。協会で何か不満を抱えるよりは、Give&Takeでもなく、Give、Give&Takeくらいの精神で、付加価値を自らの手で作りだすことが重要ではないでしょうか。

――Give、Give&Takeですか(笑)。なかなかできないですよね。

伝える側にまわったほうが、経験という価値を得られます。結局、一番価値を得られるのは、自分が行動する側に回ることだと思います。例えば、勉強会で講義を聞く側ではなく伝える側に立った方が、教えてもらうよりも研究テーマへの理解が格段に深まります。自分の専門性も磨かれ、多くの人に伝える力もつきます。独立した今でも協会への貢献も大切だと思っていますので、政策研究会において自ら立ち上げたPIT(実践IT研究会)というITに関する勉強会は、神奈川県協会にも属しており、いくばくかの貢献につながっていると思います。

独立への道

――独立されてよかったことは何ですか

会社での仕事も楽しかったですが、比較していいことは、自由度が高いことですね。加えて人間関係のストレスは大幅に減少しました。会社員時代の本業であったITシステムの開発は大人数でやるのでストレスも多いお仕事でした。独立してからも全く悩みがなくなるわけではないですが、1度仕事をしてみてお互いに合わない人とは次からは一緒に仕事をしなくてもいいといった意味での自由さはありますね。

――現在のお仕事の比率について教えてください。

1週間の平日の活動としては、1日は公的機関の窓口相談をしています。また別の1日は、セミナー講師です。残りの3日はコンサルティング活動といったイメージです。収入の構成でいくと、1:4:6くらいの比率になります。セミナーの内容は、現在はIT系の比率が多くなっています。IT系の診断士は多いのですが、その中で独立している人は少なく、ニーズはあります。通常、セミナーは年50回くらいなのですが、2019年は100回くらい実施しました。理由はキャッシュレスセミナーが増えたからです。

引き合いは独立当初は先輩からの紹介が多かったですが、最近は自分がテーマを企画したり、リピートでご依頼いただくことが多いです。ブログ等で情報発信をすることでセミナーの集客ができるようにもなってきました。

第三回に続きます。

南 多聞

南 多聞 取材の匠メンバー、中小企業診断士

専修大学法学部卒業の中小企業診断士,大手リース会社に長年奉職。企業審査,新規事業開発部門を経て現在は,事業企画や経理業務に従事。中小企業診断士の某受験校の講師も務めるパラレルワーカー。専門領域は,企業分析,ビジネスモデル研究,競馬予想と研究(勝ち馬投票券はほとんど買わない)。

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