【姫野智子さんインタビュー】成長を加速させる「自分への問いかけ」-目的が明確な人ほど活躍する(第2回)

【姫野智子さんインタビュー】成長を加速させる「自分への問いかけ」-目的が明確な人ほど活躍する(第2回)

【第2回 潔く切り捨てるという選択】
過去の記事:第1回

資格取得後,研究会やプロコン塾に参加するなどして,スキルアップを図る若手はたくさんいます。しかし,ふとした時に「自分の強みってなんだろう」といった悩みを抱え,立ち止まってしまうこともあります。エグゼクティブコーチとして経営者サポートも手がける姫野さんに,ご自身の経験も踏まえて,悩みと向き合うコツを教えていただきました。

若手の頃の苦い経験がターニングポイントに 

――若手の頃に経験した失敗談はありますか。

…エラそうに話していますが,いっぱいあるんですよ(笑)。何度思い出しても冷や汗が出てきそうなことは,診断士登録から1年目の冬頃に,仕事を受けすぎてしまって…もうバーストしてしまったんですね。ちょうどその頃,会社の仕事でもミスが出て,それを立て直すのに時間がかかり,さらに風邪で体調も崩してしまって…本当にあちこちに対して申し訳ないという気持ちでしたね…。

――その後,どのように行動されたのでしょうか。

失敗のおかげで,立ち止まって自分のキャリアを考えることができたんです。はじめての仕事は,もちろん全部いい経験になるんですよ。でも,先輩からのアドバイスを鵜呑みにして,なんでもかんでも手をあげることにも限界があるでしょう,と(笑)。「私は何の力を伸ばしたいんだろう,何をやりたいんだろう…」って,はじめて本気で悩んだんです。
私は今の会社が好きだから,まずは会社の仕事で結果を出して,求められる人間になろう。そのうえで,人前で話すことも好きだから,講師のチャンスがあったら積極的につかんでいこうって。優先順位をつけて,そうでないものは潔く切り捨てる。そうやって,時間という有限な資産のポートフォリオを組み直したんです。その後,講師のお仕事にも声をかけていただいて。

「好き×得意」をさがす

――優先順位ですか…迷いそうですね。どのように考えたらいいでしょうか。

「好き」と「得意」のかけ算,この両方が成り立つところを探してみてはどうでしょうか。やりたいこととは,主観的に見て自分の好きなこと,強みとは,客観的に見て優れている自分の得意なことですね。私の場合は,それが話すことだったりしますが,仕事の進め方だっていいんですよ。チームで取り組むことが好きで,その方が結果も出せるとか。

――なかなか見つからないときのヒントはありますか。

「お金も時間も無限にあって,なんの制約もなかったら何がしたいですか?」ぜひそれを自分に問いかけ続けてほしいですね。それが,好きなことを見つけるヒントになると思います。もし,好きと得意のどちらを優先すべきか究極の選択で迷ったら,好きなことを。得意なだけではなかなか続かないけど,好きなことは時間を忘れて取り組めるから,いつかは得意になると思うんです。

辻村 藍 取材の匠メンバー,中小企業診断士
早稲田大学政治経済学部卒業後,地方自治体において税務や労働分野の業務を経験。現在は,政策研究や法務に関する業務に従事している。2017年中小企業診断士登録。

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