【関哲生さんインタビュー】未来を拓くパスポートを最短距離で取得

【関哲生さんインタビュー】未来を拓くパスポートを最短距離で取得

【第2回 実習は厳しいが、脱落者が出ない理由】
過去の記事:第1回

第2回は、日本工業大学を選択した理由と大学院のカリキュラムについて、お話をうかがいました。

中小企業診断士取得後を見据えて理科系の大学院を選択

――次試験受験ではなく、登録養成課程を選択した理由を教えてください。

時間を確実に短縮したいということが理由です。定年退職が見えてきた中で、2次試験での足踏みは避けたいと考え、登録養成課程を選択しました。日本工業大学を選んだのは、理科系の大学であることと、会社に勤めながら1年で終了できるというのが、同大学の特徴だったからです。

――最短距離で確実に資格を取ろうと考えたのですね。そこで、理科系の大学を選択したのは何故でしょうか。

登録養成課程といっても、大学院ですので、中小企業診断士を目指す方以外の大学院生もいます。中小企業の社長さんが自分の勉強のために来ていたりもするので、そのようなネットワークを診断士活動に活かすことができるというのが大きいと思いました。学生には、製造業をはじめ多様な人材が多くいました。

実習は厳しいが、仲間と支えあい乗り越える

――登録養成課程に入学するのは非常に狭き門だというお話を聞いたことがあるのですが、入学試験というのは、どのようなものなのでしょうか。また、入学倍率なども教えていただければと思います。

登録養成課程への入学願書を提出するときに小論文を書いて、志望動機をお伝えするのですが、それに加えて、面接形式でプレゼンテーションを20分くらい行います。その後に質疑応答があって判定されます。倍率は大学が開催した説明会の場では5倍から7倍程度と言われていました。

――登録養成課程のカリキュラムでは、演習と実習があると思うのですが、それぞれどのようなものでしょうか。

演習はマーケティング理論、製造業の基礎知識や生産システムの概論などを座学で行うものです。
一方、実習は、いわゆる実務補習に近いイメージです。7人から8人でチームを組んで実際の企業を訪問し、コンサルティングを行います。一度の実習を1か月弱程度の期間を通して実施します。ただ、毎日、皆で何かをする訳ではなく、その間の7日間くらい実際に集まって作業をします。例えば火曜日に収集した情報を水曜日から金曜日の間に各自で整理して、また土曜日に皆で集まり議論するというような感じです。議論を深く行いますので、かなり密度が濃いものになります。

――実習はどのようなスケジュールで行われますか。

実習はA~Eまで5回あり、まず流通業のAの経営診断を行い、次に製造業のBの経営診断を行います。その後、経営計画・戦略策定演習を2回、経営総合ソリューション実習を行い、より実践的な実習になっていきます。1回目の実習は7月の半ばにはじまります。その後、3週間かけて最終報告までの実習が行われます。

――実習期間中も演習の授業などは行われますか。

実習期間中は分析や報告書の作成を行う必要がありますので、並行して演習の授業は行われません。
演習のカリキュラムが一段落して実習に入り、実習終了後にまた演習授業が始まる場合もありますし、すぐに次の実習が続く場合もあります。1週間くらいしか実習の間隔が空かない場合などもあります。

――仕事をしながら、それだけの実習をこなすというのは、すごく大変かと思うのですが、脱落する方などはいらっしゃいますか。

中小企業診断士になるという目的が明確ですから、皆さん、最後までやり遂げます。同じ方向を向いた支え合える仲間がいるということも要因としてあると思います。私の同期生は15名いるのですが、脱落者はいませんでした。
過去の卒業生でも、在学中に海外転勤したとか、そういう特別な事情がある方以外は脱落した方の話は特に聞いたことはないですね。

秋元 美信

秋元 美信 取材の匠メンバー、中小企業診断士

千葉県出身、東京都武蔵野市在住。東京工業大学工学部社会工学科卒業後、長期信用銀行に入行。その後、転職を経験しながらも30年弱の間、一貫して金融機関でのキャリアを積み上げつつ、2022年1月に副業にて経営コンサルティング事業を開業。IT関連と金融関連を得意とする。2022年5月中小企業診断士登録。趣味はゴルフと街歩き。

拓け!中小企業診断士の扉~養成課程奮闘編~カテゴリの最新記事