【関谷由佳理さんインタビュー】諦めない。8年間の受験勉強で見つけた答え

【関谷由佳理さんインタビュー】諦めない。8年間の受験勉強で見つけた答え

【第2回 最後の最後に見つけた合格に足りなかったピース】
過去の記事:第1回

【関谷由佳理さんインタビュー】

銀行の法人営業に従事していた関谷由佳理さん。8年間の受験生時代には、2度、2次試験合格に1点足りないという、悔しさを乗り越えたことも。そのような中で合格に至った道筋をお聞きしました。その道筋で、関谷さんが最後に見つけた合格に必要なピースとは?

2次試験の勉強で1次試験の得点アップ

――関谷さんは早い段階で1次試験を合格されていますが、どのように勉強していたのでしょうか?

1次試験は予備校Tに通いました。毎週末、講座に行き復習、その繰り返し。全く知らないことも多かったので、1年目はとにかく予備校の講座の復習、インプットに時間をかけていました。2年目に1回合格してからは、逆にアウトプット中心の勉強に切り替えました。直前答練のようなアウトプットだけ行う講座に通い、間違えたところを先生に質問して理解を深めていました。受験を繰り返す中で、2次試験の勉強をするようになって1次試験の点数が伸びました。特に1次試験の財務会計は、事例Ⅳの勉強をするようになって、腹落ちしたというか。事業の流れの中で財務会計をとらえられるようになったことが、1次試験の得点アップにつながったと思います。

2次試験をパターン化

――続いて2次試験ですね、どのような勉強スタイルだったのでしょうか?

最初は、過去問に取り組んで解答・解説を見て一喜一憂していました。しっかり復習をすればよかったと思います。再現答案を作るのも嫌いでした。これではいけないと、試験勉強を始めて6年目に予備校を変え、事例を整理する定型のシートを使って、ストーリーを整理する練習をしました。試験中の作業工程も決めて、こう問われたら、こう答えるという、“マイお作法”と呼んでいるパターンを作って、2次試験に臨みました。

――なるほど、マイお作法を作って、作業を安定化することで2次試験に合格されたのでしょうか?

いいえ(苦笑)。それで臨んだ本番の試験が、実はボロボロ。お作法を守ることを優先してしまって、事例で問われていることに、答えられていなかったのかもしれません。CやD判定にはならないのですが、合格には何かが足りない。

最後のピースは“現場対応力”

――何が足りなかったのでしょう?

2次試験に合格できなくて悩んでいたときに、予備校の先生から添削で、「現場対応力をつけてください」というコメントをいただきました。最初にコメントを見たときは、「なんだろう?」という印象でしたが、今、振り返ってみると、それが合格に必要な最後のピースだったと思います。慣れてしまうと、パターン化したお作法で解答した方が楽です。でもお作法通りだと、他の受験生と差別化できないし、定型的な解答になってしまいます。

――次試験合格の最後のピースだった“現場対応力”、関谷さんは、具体的にどのように理解されたのでしょうか?

合格した年の2次試験も、マイお作法通りに解いていたのですが、試験中に、「これでいいのか」という声が聞こえた気がしました。自分の心の声に従って、お作法から離れ、事例で問われていることにもう1回、向き合って、自分の意見を盛り込んで解答しました。それが合格につながったと思っています。現場対応力とは、守るべき手順は守りつつ、正解がない中でも、目の前にある具体的な事例問題に向き合って、自分の意見を論理的に述べることができる力だと、今は思います。

――そういった現場対応力を発揮するには、本番の試験で事例問題にしっかりと向き合う余裕が必要だと思います。どのようなトレーニングが効果的でしょうか?

2次試験を受けているときと同じような環境で、事例問題を解くとよいかもしれません。私は、帰りの通勤電車の中で事例Ⅳの問題を解いていました。この帰りの電車で疲れ切った状態で解く、というのがポイントです。合格した年は、事例Ⅳはケアレスミスがあっても78点でした。電車の中で電卓を落として、すごい音をたてて、周りの人をびっくりさせてしまったこともありますけど(笑)。

大池 俊輔

大池 俊輔 取材の匠メンバー、中小企業診断士

1975年神奈川県川崎市生まれ。東京工業大学大学院卒業後、総合化学メーカーにて、研究開発を経て知的財産部に所属し知財管理・活用に従事。2019年1月中小企業診断士試験合格。2020年2月中小企業診断士登録し、東京都中小企業診断士協会城南支部に所属。
日本国弁理士。趣味:ランニング、特技:クラシックギター。

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