【林栖さんインタビュー】自分に合う勉強法と2次試験解答の多様性に気づき診断士試験合格

【林栖さんインタビュー】自分に合う勉強法と2次試験解答の多様性に気づき診断士試験合格

【第2回 背水の陣で効率的勉強法を確立】
過去の記事:第1回

【林栖さんインタビュー】

医療介護のIT系企業に勤めながら診断士試験に合格した林栖さん。第1回は中小企業診断士を目指したきっかけと合格後の変化について主にうかがいました。第2回は、合格までのご苦労や工夫した点についてお話をいただきます。

背水の陣で「ながら時間」の活用

――転機を求めて診断士試験に挑戦してから合格まで10年という月日をどう乗り越えたのでしょうか。

受験回数は1次試験5回、2次試験1回です。勉強方法は、主に資格の学校TAC(以下、TAC)の通学・通信を利用して、合格年度は独学でした。もっとも苦労したのは主に二つで、「勉強時間の確保」と「モチベーションの維持」です。

――勉強時間の確保では具体的にどのようなことを工夫されたのでしょうか。

平日は主に日中はインプット中心で、子供が寝た後に問題を解いてアウトプットをしていました。休日は午前中に私が子供の面倒をみて、昼頃から夫と選手交代して勉強時間を確保していました。通勤、家事、子供の面倒を見る時、食事の時間等の「ながら時間」を活用していました。インプットでは、動画、ブログ(タキプロ、中小企業診断士試験一発合格道場、ふぞろいな合格答案)を活用し、「中小企業診断士1次試験一発合格まとめシート(エイチス)」の「論点別まとめシート」、TACのテキストのダウンロード版等は携帯に入れて空き時間に眺めていました。アウトプットではほとんど過去問を解く時間に使っていました。2次試験では解答をプロセスごとに切り分け、Googleスプレッドシートに過去事例と解答例を入れ、細切れ時間に眺めて解答のプロセスを頭の中でシミュレーションしていました。

――「ながら時間」では集中することが難しいと思うのですが、独自の工夫があったのでしょうか。

「ながら時間」は確かに集中することは難しいですが、音声を繰り返して聞けるので、何度も聞いて定着させていきました。今まで聞き流していたものが、耳から入った瞬間に「あっ」と反応する部分があり、自分の中で「これ知らなかった」とか「フォローしきれなかった」というところがわかって宝が見つかったような感覚でよかったと思います。もう一つ加えるならば、点と点だった知識が線としてつながり、線がさらに面になるっていう瞬間がありました。その知識をさらにアウトプットでいかした時にさらにつながっていくみたいなところがありましたね。

――モチベーションの維持では具体的にどのようなことを工夫されましたか。

モチベーション維持では、育児もありこれ以上協力をしてもらうのは厳しい状態でしたので家族に「今年受けて、ダメなら来年チャレンジしない」と背水の陣で臨む覚悟を宣言しました。他にはオーディション番組で頑張っている人達の姿を見ながらモチベーションを上げたり、合格者のブログや活躍の情報を見て合格後のイメージを持つようにしたことでしょうか。

解答の多様性に開眼し2次試験を一発突破

――2次試験を1回で合格しましたが、その最大の要因について教えてください。

予備校の模範解答を絶対だと思い込んでいました。「書けない、ダメだ…」と勘違いしていた時期がありましたが、ふぞろいな合格答案を見て想像以上に合格者の解答がバラバラで、「解答が1つだけじゃないんだ」という気づきが最初のブレイクスルーになりました。顕在化している課題が「解答が安定しない」、「限られた文字数の中にキーワードを入れられない」、「80分内に解答を書ききれない」だったので、問題数を多くこなすことよりも、この課題を解消するために時間を使い、結果的に合格につながりました。

不得意な事例Ⅳは足きりにならないようにすればよいと切り替えたことで、無駄な勉強時間を使わなくて済んだと感じています。

栗秋 幸裕

栗秋 幸裕 取材の匠メンバー、中小企業診断士
2022年1月中小企業診断士登録、東京都中小企業診断士協会城東支部所属。1968年福岡県で生まれ東京で育った。中央大学経済学部国際経済学科卒業後、大手通信業のIT系で約10年間の営業を経験した後、本社で事業企画や委託会社運営を経験。2005年から維持しているITコーディネータと両立しITで経営の効率を目指す企業の支援をする企業内診断士として活動中。

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