【福岡 誠さんインタビュー】元・芸人診断士が実現した短期合格の裏側

【福岡 誠さんインタビュー】元・芸人診断士が実現した短期合格の裏側

第1回 人生で必要なのは「勢い」と「理由付け」と「報酬」である

【福岡 誠さんインタビュー】

これまで、お笑い芸人・俳優を経験し、現在では大手企業の管理職を務める異色の経歴を持つ中小企業診断士である福岡誠さんの、その行動力の源と、モチベーションを保ち続けて試験生活を乗り切る秘訣を教えていただきました。

中小企業診断士との出会い

――これまで、お笑い芸人や俳優を経験し、現在は大手企業のサラリーマンという、幅広い経験をお持ちですが、現在はどのようなお仕事をされているのですか?

現在は、主に広告分野の業務を担当しています。2021年からは管理職として任用されており、組織運営等の中小企業診断士で学んだ知識を活かしながら業務に励んでいます。

――中小企業診断士を受験するきっかけは仕事が関係しているのでしょうか?

いいえ、仕事は関係ありません。
実は、明確な「中小企業診断士を取る」という決意のもとスタートしたわけではありませんでした。以前から、中小企業診断士という資格があることは認識しており、「手が届かないけどすごい資格だな」と思っていました。ある時、1,000時間もかけずに合格する人の話を見かけて、「これなら何年か時間をかければ合格できるかもしれない」と思うようになりました。

そんなときに、仕事で大手の診断士受験予備校への営業の機会があり、その際にパンフレットに目が止まり、そのまま勢いで通学の申込みをしたというのが、受験を始めるきっかけでした。

勢いで飛び込むことと理由の後づけのすゝめ

――勢いで始めることは、一歩を踏み出すために大事だと思う反面、継続することが難しかったりすると思うのですが、1.5年という期間勉強を継続できた秘訣などありますか?

継続するために、通信ではなく通学でのコースを選びました。自分の特性上、独学とか通信とかでは無理だなとわかっていたので、自分に「通う」ことを課すことで継続できると考えました。
また、勉強を始めた当時はあまり明確な理由はなかったのですが、中小企業診断士という資格を知れば知るほど、「会社に依存したくない」、「付き合ってきた人たちに恩返しをしたい」など、様々な「自分が資格を取りたい理由」が出てきました。「もうダメだ」と思ったときにその「理由」を思い出すことで何度も奮起することができ、勉強を継続できました。

―― なるほど、「とりあえず飛び込む」・「理由はあとからついてくる」ということですね。福岡さんのこれまでの経歴も市役所勤務からお笑い芸人・俳優を経て、現在はサラリーマンと、様々な経歴をお持ちですが、「飛び込んできた結果」と捉えてよろしいでしょうか?

そうですね、お笑い芸人を始めたきっかけも勢いですね。相方が突然、会社を退職してきたのがきっかけで、その勢いで私も仕事を退職し、お笑い芸人の道に飛び込んだということがありました。
私の持論ですが、誰でも大きな決断をする時は、最終的に勢いに任せて飛び込むことになると思うんですよ。例えば、結婚する際も、勢いに任せて飛び込まないと、「貯金が貯まったら」、「仕事が安定したら」なんて考えていたらいつまで経ってもできないですからね。

試験合格の喜びと、家族へ負担のケア方法

――勢いよく飛び込んで高いモチベーションを持っていても、やっぱり試験生活の中で気分の浮き沈みがあると思うのですが、試験勉生活の中で楽しかったときと辛かったときはどのようなときでしたか?

楽しかったときは、やはり合格発表ですね。合格していたからということもありますが、妻と一緒に合格発表を見たときの、緊張と喜びのジェットコースターのような心境。あんな気持ちになる瞬間は、人生でもそうそう無いと思います。あんなアトラクションがあったらお金払ってでもやってみたいですね。逆に、辛かったのは、勉強のせいで家族に負担をかけてしまったことです。例えば、自治会の活動や、子供の行事を妻に任せっきりになっていました。

――家族への負担が増えることに対して、どのようなケアをされていましたか?

生々しいですが、バイト代を渡していました。いろいろ意見が分かれるところかもしれないですが、お金はサービスの対価として絶対的な価値があると思っています。だからこそ納得感が生まれると思います。 実は、昔からこのシステムが我が家にはあって、例えば、お弁当を作ってもらうのに350円、最近では、リモートワークをするのにレンタルオフィスを借りるつもりで利用料金を1,000円/日と価格設定していました。お互いに納得感を持って時間を融通できるので、おすすめです。

佐々木 剣太

佐々木 剣太 取材の匠メンバー、中小企業診断士
宮城県出身。大学では半導体物性に関する研究に従事。2012年に大学院を卒業後、精密機器製造業に勤務。半導体部品やゴム部材の開発業務を経て、現在は部門でのDX推進を担当。

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