【中村友一さんインタビュー】人生の転機となった診断士資格~意志あるところに道はある~

【中村友一さんインタビュー】人生の転機となった診断士資格~意志あるところに道はある~

【第3回 一華開けて天下の春】
過去の記事:第1回第2回

【中村友一さんインタビュー】

晴れて中小企業診断士の資格を取得後は、千葉県診断士協会に所属され、現在は中小企業診断士として活躍中の中村友一さん。第3回では、今後の診断士活動の想いをうかがいました。

中小企業診断士の知識体系

――1次試験、2次試験の時に学んだ知識が、今の診断士活動で活きていることは何かありますか?

例えば、製造業の企業を訪問した際に、5Sなどの製造業でのものの考え方は活用できました。最近は、SWOT分析を使って強みを活かすのが大事だというのが当たり前になってきましたけど、以前はあまり知られていなかったと思います。10年ぐらい前は、コンサルタントの方でSWOT分析などの経営分析手法を使っている方もいましたけれども、私が担当していた中小企業で、SWOT分析を使っているところはありませんでした。そういった意味では、違う業界や分野の方とお話しするときに、体系だった経営の知識を持っていることで、話がしやすくなりました。

銀行員としての矜持

――今後、中小企業診断士としてやりたいこと、目標などをお聞かせください。

正直そんなに大それたものはないのですが、中小企業のお役に立ちたいなという気持ちは強いです。今、お世話になっている千葉県の中小企業活性化協議会も、その一端を担っていると思います。活性化協議会では、405事業といわれる経営改善計画の策定支援がありますが、中小企業診断士として独立した当初は、これをメインの業務にしたいと考えていました。経営改善に関する需要はまだまだこれからあるでしょうし、これから、ゼロゼロ融資の据え置き期間が終わって返済が始まると、そのような仕事は増えてくるのではと思っています。

実際のところ、経営改善計画の策定支援は中小企業診断士であれば、それほど難しい話ではないかもしれません。ですが、じゃあ誰にでも任せられるかといったら、またちょっと違うと思っています。そこは金融機関出身であるということが多少なりとも武器になると思っています。

――中小企業診断士の資格を取る前に持っていたイメージもあったと思いますが、取った後に感じた中小企業診断士の意外な面はありましたか?

色々な資格の特集記事を見ていると、中小企業診断士や社会保険労務士など色々な資格が出ています。その中で、中小企業診断士の資格は、世間的には意外と知られていない資格ですが、知っている人にとっては評価が高い資格だと思います。

点と点がつながる

――最後になりますが、中小企業診断士を目指す受験生のみなさんに対して、エールやアドバイスがあればお願いします。

もちろん資格は取れるに越したことはないのですが、中小企業診断士の勉強をすることで、物事の理解や社会のしくみなどへの理解が深まると思います。私も長く銀行に勤めていましたが、何ヶ月間か勉強させてもらったことで、ピースとピースがつながったというか、点と点がつながったみたいな、そういった気づきがたくさんありました。正直、10年前なので何に気づきがあったかはもう忘れてしまいましたが、本当にその時は、目から鱗が落ちるということがたくさんありました。だからぜひ、試験のための勉強も大事ですが、一生懸命勉強してもらえると、いいなと思います。その先に、これから社会で求められる仕事があると思います。




井尾 生太

井尾 生太 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1980年愛知県生まれ、千葉県在住。プラントエンジニアリング企業で製油所や石油化学プラントの設計に従事。ブラジルの現場や中国の駐在など海外での仕事も多数。特許取得の経験を通じて、技術を売ることの難しさを経験。そのことが、中小企業診断士を目指すきっかけとなる。2022年5月に中小企業診断士登録、千葉県診断士協会、東京都診断士協会・城北支部所属。現在は、ものづくり補助金地域事務局などで独立診断士として活動中。

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