【高橋良介さんインタビュー】中小企業診断士×キャリアコンサルタントでさらなる高みへ

【高橋良介さんインタビュー】中小企業診断士×キャリアコンサルタントでさらなる高みへ

【第2回 ゴールを見据えて仲間を支える】
過去の記事:第1回

【高橋良介さんインタビュー】

鉄鋼商社で海外向け船積み手配に携わりながら、東洋大学大学院の中小企業診断士登録養成コースを修了し、2022年に中小企業診断士登録された高橋良介さん。第2回は、養成課程における高橋さんならではの身の処し方、そこから得られた人間関係や学び、養成課程の魅力をうかがいます。

アカデミックな雰囲気に惹かれて

――養成課程の入学試験はどのようなものでしょうか。

3校申し込んで2校受けました。両方とも大学院です。東洋大学大学院では個人面接とグループディスカッションと、論述が2題程度です。MBAの併設コースだったので研究計画書も出しました。もう1校は書類審査と面接が中心でした。最終的に東洋大学大学院に入りました。

――東洋大学大学院へ進まれた理由は何でしょうか。

1つはアカデミックな雰囲気です。東京都文京区にある白山キャンパスへ通いました。閑静な住宅地にたたずむ大学院の雰囲気が、落ち着いて勉強できそうで気に入りました。もう1つは会社からほどよく離れたロケーションです。仕事の気持ちのまま養成課程に行くよりかは、30分くらい移動に時間かけてスイッチを切り替えたいと思いました。

――お仕事との両立は可能でしょうか。

平日はMBAコースのゼミが1日ある程度で、基本的には土日中心でカリキュラムが組まれています。2年間社会人が通学しながら修了できるよう配慮されたプログラムになっていますので、仕事との両立は可能です。

志は1つ、考えは24通り

――養成課程に通われた中でここは辛かった、苦労した、というエピソードはありましたか。

1つは新型コロナウイルスが真っ盛りだったことです。2020年4月入学でした。最初の半年くらいはほとんど学校に通えずオンラインで受講しました。あのキャンパスにいきたいと思って入学しましたので、そこは少し辛かったですね。もう1つは実習中の苦労です。2ヶ月くらいかけてグループで1つの実習を行いました。人間同士ですし、真剣勝負なのでお互いの意見がぶつかり合うことはありました。

――実習ではそれぞれ真剣な気持ちで議論される中、折り合いがつかなくなってしまうと大変ですね。高橋さん自身はどのように立ち回りされましたか。

当時副班長として中立的な立場は意識しつつも、チーム内で意見が分かれた時に賛否の立場は示していました。我々の提案の過程がどうあろうと、企業にとっての関心は有益な提案を得られるかどうかだけですよね。あまりうまく調整はできなかったかもしれないですが、最終的には皆の力で無事提案することができました。

――メンバーは毎回一緒ですか。

それぞれ違いますが、同期が24名いて2年間一緒に学ぶので絆ができます。このつながりは相当強いと思います。勉強の部分だけでなく、それまで全然関係のなかった人たちが集まって何かのアウトプットを一緒に出すという経験は貴重です。自分の財産になりました。

養成課程で得たものはプライスレス

――充実した2年間を過ごされてきた中、やった甲斐があったこと、やっていて良かったことを教えていただけますか。

実習に時間をかけるため、実践力が付くことです。養成課程では、1、2ヶ月くらいをワンサイクルとして計5回の実習を行います。最初は流通業、2回目は製造業、3回目、4回目は戦略立案といったようにテーマが変わります。最後の「ソリューション」は企業の個別具体的なオーダーに対応するという、2年間の集大成のような実習です。

――養成課程ならではの魅力を教えてください。

実践的な学びがあるという点と、生涯続く人間関係が得られる、この2つです。資格をまずゴールにするという人は多いと思いますが、その先を見据えていて、すぐに現場に出ていきたい、すぐ独立して使いたい、という人にはおすすめですね。苦楽を共にした仲間もかけがえのない財産です。




石川 慶成

石川 慶成 取材の匠メンバー、中小企業診断士
東京都在住。金属加工会社に勤務。技術営業、工程設計、購買、生産管理、加工、検査測定、品質保証に従事。品質管理責任者として工場内の統括にあたる。専門分野はISO9001。小さなカイゼンで日本のものづくりを末端から支える。2022年11月中小企業診断士登録。東京都中小企業診断士協会城東支部所属。

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