【鈴木俊治さんインタビュー】「自分の信じた過去問対策」で独学を貫き勝ち取ったストレート合格

【鈴木俊治さんインタビュー】「自分の信じた過去問対策」で独学を貫き勝ち取ったストレート合格

【第1回 自身の無力さ感じ中小企業診断士目指す】

【鈴木俊治さんインタビュー】

現在、医療機器メーカーに勤務する鈴木俊治さんは、中小企業診断士試験の過去問対策を中心とした独学スタイルで、見事ストレート合格を勝ち取りました。第1回目は中小企業診断士を目指すきっかけとなった転職についてうかがいました。

転職は自分のキャリアを広げるため

――現在の仕事内容について教えてください。

現在は医療機器メーカーでマーケティングを担当しています。主に外科用デバイス、内視鏡を使いながら同時に使用する道具である「サージカルデバイス」を取り扱っています。

――私は2022年、胆のう切除を腹腔鏡手術で行いましたが、その手術で使用したデバイスですか。

その通りです。正式名は「腹腔鏡下胆のう摘出術」です。腹腔鏡用の内視鏡を開いたお腹にいれますが、まさにその時に使用するデバイスです。

―――私の手術に鈴木さんの会社の技術が使用されていたということですね。

貢献できてうれいしです(笑)。

――鈴木さんは転職で現在の会社に入社されていますが、転職した経緯について教えてください。

新卒で鉄鋼メーカー入社し、主に海外営業を10年ほど担当していました。その後、新しい仕事に取り組みたく、自分のキャリアを広げるため、34歳で転職しました。元々、マーケティングや経営戦略に興味があり、営業だけでなく、違う仕事ができる会社をいくつか探していた中で、縁があったのが今の会社です。鉄鋼から電子機器、医療という、関係の薄い分野ですが、チャレンジしようと決意し、転職しました。

中小企業診断士は会社で戦う武器

――鉄鋼から電子機器、医療と違う分野になりますが、不安はありませんでしたか。

今思えば、もっと不安に思っておくべきだったと感じますが、その時は「何とかなる」と思っていました。転職して勉強することが多く、非常に苦労しました。実は今も苦労しています。

――転職の際はご家族に相談されましたか。

転職と結婚がほぼ同じころで、人生を激変させたのが2019年です。転職は妻と結婚する前に決めましたので、反対されることはありませんでした。もし結婚後なら、反対されていたかもしれません。

――「畑が違う」業界で実際に働いた当初、どのように感じましたか。

手術や解剖など、学生時代から現在まで触れたことのない分野でしたので、勉強の必要性を痛感しました。前の会社で培った知識などが活かせず、新卒や長年勤める社員と競い、生き残るには、努力しなければならないと感じました。

――4年間を経て、転職時と現在との心境の変化はありますか。

転職当初、仕事についていけず、「入る業界を間違えた」と思いました。重電系の会社にしておけばよかったと後悔もしました。現在は転職後に中小企業診断士の資格を取得し、自分の立ち位置が確立できたので、落ち着いています。

――転職後に中小企業診断士を取得したとのことですが、挑戦を決めたきっかけを教えてください。

きっかけは転職したことで、「自身の無力さを痛感した」ことです。また、昔から経営やビジネスに興味がありました。もっと経営やビジネスの知識があれば、既存の社員らと戦っていける武器になると思いました。加えて、コロナ禍になったこともあり、在宅勤務が増えて、融通が利くようになり、時間をつくることができたことも大きな要因です。

――挑戦はすぐ決めたのですか。

2019年4月に転職しました。その1、2か月後、自分が危機感を覚えました。その時点では結婚したばかりで、1次試験の受験は難しく、申し込みましたが受験はしませんでした。その後の2年間は受験したいという思いを抱えたまま、仕事に没頭しました。




今井 章夫

今井 章夫 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1974年生まれ、埼玉県出身。明治大学政治経済学部を卒業後、全国紙新聞社に入社。販売戦略部門で販売店経営者に対してマネジメント業務を経験した後、現在は新規事業企画、スタートアップ出資、販売支援などを担当。2020年中小企業診断士登録。趣味は登山、ランニング、食べ飲み歩き。40歳を過ぎ、ワイン、日本酒に趣向が変更。将来は事業再生や事業承継、M&Aを通じて中小企業の支援をしていきたい。

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