【第3回 念願の中小企業診断士へ】
過去の記事:第1回、第2回

孫の誕生が励みとなり、苦手であった財務を克服し、見事1次試験突破を果たしたT・Kさん。しかし初挑戦の2次筆記試験は残念な結果となった。Kさん自身、2次筆記試験の勉強は不完全燃焼であったと感じている。そんなKさんが2次筆記試験合格をつかみ取った道のりと、中小企業診断士をめざす受験生に伝えたいことについて取材した。
2次筆記試験勉強法の構築
2021年は不完全燃焼で2次筆記試験を終えたKさん、結果は想定通りであった。双子の孫娘の応援を受け、2次筆記試験の再挑戦へ進み始めた中での新たな出会い。Kさんに合った2次筆記試験勉強法が、SNSで見つけた学校にあった。講義はWeb会議システムを使ったリアルタイムのオンライン双方向授業で、緊張感をもって授業に臨むことができた。授業はすべて過去問を使用した講義で与件文の捉え方がわかるようになり、初挑戦時と比較して解答のレベルが上がった。SWOT分析やファイブフォース分析等、フレームワークの使用方法やロジックツリーを使った事象例などが理解できるようになり、知識量は格段に向上した。また他の受講生とのグループ討議もあり、他者の意見を聞くことで、多面的な思考ができるようにもなった。
その他の勉強法として、なかなか記憶できないものは自分の声を出し、パソコンを使って録画したり、録音機に吹き込んだりして、その音声を通勤時や1人になった時間を利用して、何度も繰り返し聴き取りを行った。こうしてKさんは不安だらけの昨年とは異なり、自信をもって2次筆記試験会場へと向かった。
ついに合格
2022年の2次筆記試験当日は学校の講師のアドバイス通り、試験の間の休憩時間に酸素吸入を行ったり、栄養ドリンクを飲んだりして、合格に向けて全力を尽くした。2次筆記試験は体力勝負でもある。今まで勉強してきたことを存分に発揮するため、やれることはすべて行った。しかし、合格への手ごたえはなかった。
Kさんは2次筆記試験直後、精神的に落ち込むことはなく、1ヶ月の休養を経たのち、新たな道を動き出した。2023年の試験に向けて財務をさらに強化すべく、簿記3級の勉強を開始し、年初に合格した。次回はまた1次試験からと決意を新たに、中小企業診断士の勉強を再開し始めた頃に、予想もしていなかった知らせが届いた。2次筆記試験の合格である。
50代後半からでもできるのだ
Kさんにとって2次筆記試験合格は青天の霹靂であった。中小企業診断士認定後、IT分野に力を入れ、ITパスポートやG検定にも合格した。「大した学歴もなく、大企業勤めでもない、定年間際のおっさんが、コツコツやればできるのだ」とKさんは熱く語る。製造業の中小企業はまだまだ改善の余地がある。Kさんは中小企業診断士として、自分の経験やITを駆使して、地元の製造業をサポートしたいと考えている。『50代後半の普通の人でも、頑張ればできるのだ』ということをKさんは教えてくれた。

上杉 嘉邦 取材の匠メンバー、中小企業診断士
京都府長岡京市在住。鳥取大学工学部物質工学科を卒業後、外資系大手製薬メーカーにて医薬情報担当者として約7年、医薬品開発業務受託機関で臨床開発モニターとして、約15年間勤務する。2023年1月によしくに中小企業診断士事務所を開業。医療系に強い中小企業診断士として中小企業の経営相談、経営改善計画書策定、人事評価制度制定、健康経営支援等、業種業態問わず幅広い分野で活躍する。
