【杉本剛さんインタビュー】独学ストレート・8カ月で中小企業診断士試験を突破!―学びを楽しんで運も味方に―

【杉本剛さんインタビュー】独学ストレート・8カ月で中小企業診断士試験を突破!―学びを楽しんで運も味方に―

【第2回 独学ストレート・8カ月で試験突破!早朝に集中】
過去の記事:第1回

製薬メーカーで活躍する杉本剛さんは、中小企業診断士という資格に出会ってから、短期間で見事にストレート合格を果たす。今回は独学で合格を勝ち取った勉強法や大事な家族と過ごす時間との両立を紹介する。

家族との時間重視で早朝に集中、見事に1次試験を突破

「日本版MBA」とも言える中小企業診断士試験の受験を2019年1月に決意した杉本さん。それから、勉強方法の情報収集を念入りに行った。家族との時間を重視してMBAを断念した事情もあり、通学講座は選択できない。必然的に、独学での効率的な勉強法の情報をさまざま集めた。比較検討した結果、2019年2月中旬に中小企業診断士講座「診断士ゼミナール(株式会社レボ)」を申し込んだ。この講座を選んだ最大の理由は、コストメリット。テキストと映像講義のセットで総額5万円台だったからである。さらに、合格してからアンケートに協力すればお祝いもあった。自分のペースでひたすら映像授業を見ながら、テキストを学習する独学スタイルである。

勉強時間は家族との時間を優先して捻出する。子供と一緒に21時ごろに就寝して、毎日早朝3~4時に起床。家族が寝ている時間帯に、少なくとも2時間の勉強時間を確保したのである。それでも、1次試験までの期間は6か月ほどしかなく、これまでの業務経験とは縁のない、幅広い知識を理解しなければならない。実際のところは、「1次試験は科目合格をとりながら、実質的に1年半くらいで合格する計画だった」という。「空き時間を見つけての勉強」はプレッシャーが全くない。楽しんで学ぶから苦にも感じない「自分のペース」での学習スタイルを続けた。

短期で仕上げる中では、経営法務と経営情報システムの得点がなかなか伸びずに、8月の1次試験本番では合格の自信を持てない状態だった。実際に1次試験の手応えは「全然なかった」ものの、苦手科目の得点をその他の科目がカバーして、自己採点では驚きの合格水準クリアとなる。

インターネットで情報を集め、2次試験の過去問演習に徹する

1次試験を終えてから、杉本さんは勉強を一週間休んで、全く情報のなかった2次試験対策の検討期間とした。10月の2次試験までの期間は約2か月。1次試験を6か月で仕上げたことに比べれば「時間が十分ある」と思え、この時点でストレート合格を目標に定めた。

2次試験の勉強も当然、独学スタイル。効率的な勉強方法を求めて、インターネットを中心にさまざまな情報収集を行った。その結果として、中小企業診断士試験の受験生を応援するWEBサイト「一発合格道場」と「タキプロ」を偶然見つけ、これらのブログを参考に勉強を進めることにした。

採点基準をつかみにくい2次試験の対策のため、参考書「ふぞろいな合格答案 10年データブック(同友館)」「中小企業診断士2次試験 事例IVの全知識&全ノウハウ(同友館)」を活用して徹底的に繰り返した。こうして、ほぼ過去問を仕上げるスタイルを貫き、過去問10年分を3回転させたのである。

見事に2次試験も突破、歓喜の瞬間に震える

2次試験の学習は成長を実感するのが難しい。本番はすべての科目が不安な状態での受験。手ごたえは全くなかった。終わった瞬間は、その夜のラグビーW杯の決勝トーナメント「日本対南アフリカ」に気持ちが移り、翌日からは来年の2次試験対策を考えて受験校の説明会の予約をしていたくらいである。当然、口述試験の日程を確認することもなく、別の予定を入れていた。そうして迎えた合格発表の日に、パソコンの画面で自分の受験番号を見つけた時には、ガタガタと体が震えたという。それから、2次試験突破の感慨にじっくり浸ったのである。








小松 弘樹

小松 弘樹 取材の匠メンバー、中小企業診断士
山形県出身。1994年に全国展開の中小企業向け金融機関に入社。本部で経営企画、人事、広報業務、また営業店では支店長を経験した後に、現在は本部で融資先の経営改善、事業再生支援を担当。豊富な経験を背景に業種や企業規模を問わない中小企業支援が強み。2021年に診断士登録、東京都中小企業診断士協会、埼玉県中小企業診断協会所属。

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