【内山崇行さんインタビュー】 経営者に寄り添う町医者のような存在でありたい~診断士をあこがれの職業に~

【内山崇行さんインタビュー】 経営者に寄り添う町医者のような存在でありたい~診断士をあこがれの職業に~

【第2回 企業経営者に寄り添う支援をしていきたい】
過去の記事:第1回

【内山崇行さんインタビュー】

前回に引き続き,内山崇行さんにお話を伺います。義父の死を契機に,顧客ゼロで独立した内山さんが,顧客や自分のスタイルを確立する道のりについてお話を伺いました。

月収一万円からの挑戦

――顧客ゼロからどのように仕事を獲得していったのですか?

独立1か月目は,地元の診断士グループから紹介してもらった仕事だけだったので,月収一万円でした。それから,神奈川県診断士協会からの紹介や,取材の学校からの執筆依頼など,診断士の繋がりでいただけるお仕事をこなしていきました。

同時に,地元の商工会議所に電話をかけたり,交流会に参加して経営者との接点を増やしていくなかで,仕事につなげていきました。

とはいえ,スポットの仕事で経営者の方と話はさせてもらうのですが,なかなか顧問契約には至らず,最初の契約をいただくまでに1年近くかかりました。

――最初の顧問契約はどのような経緯で獲得に至ったのでしょうか?

経営改善のスポットの仕事で,半年くらい一緒にやってきたお客様でした。経営計画の作成に取り組んでいるときに,ここは一生付き合っていかなきゃいけないなと思いました。そして,プロジェクトが終わったときに「今後どうしますか?」と聞いて,結果的に顧問契約を結ぶことになりました。

そのときは,正直,安心しました。その企業とは,今でもお付き合いがあります。

事業計画の作成と実行支援

――事業計画の作成はどのようにやっていくのでしょうか?

社長の頭の中には思いや構想があふれているのですが,文章や計画書を作成することに慣れていないので,事業計画書がないことが多いんです。なので,事業計画と言うと堅いので,ミッション,ビジョン,バリューを作りましょう,それを目指してどういう計画でやっていくか考えましょう,とお話します。

具体的には,1回2時間くらいの面談を約5回行い,あり方の言語化,アクションプランの作成,数値計画作成,最終確認,の4ステップで事業計画を作成します。経営者の思いをちゃんと聞いて,多くても20枚くらいにまとめます。

――事業計画作成後の支援はどのようにするのでしょうか?

事業計画を立てたら今後の支援の要否についてこちらからお伺いします。事業計画を作っただけでは実行できませんし,計画通りに行くことは十中八九ないので,実際の支援では計画したことをベースにしながらも,状況にあわせて都度一緒に対応を考えていきます。

――企業支援で難しさを感じるときはどういうときですか?

経営者に,診断士である自分の立ち位置を分かってもらうことです。

企業支援への入り方にはいくつかあります。社長から直接依頼される場合もあれば,公的機関や金融機関など他者からの紹介の場合もあります。この時,公的基金を使って支援に入る場合があるのですが,診断士であるこちらの話を聞く姿勢を作ってもらうことが難しいです。

論理だけではなかなか経営者に納得してもらえないので,相手を理解し,寄り添うという感情が大切ですね。

那須 美紗子

那須 美紗子取材の匠メンバー,中小企業診断士

大学卒業後,証券会社で企画業務に約10年,出向にて信託銀行の業務システムのシステムエンジニアに約2年従事。その中で,システムや業務の新規構築・改善を幅広く経験。2019年に中小企業診断士登録。自身も3人の子供を育てながら働く経験を活かし,働く親の支援活動も行う。趣味は旅行と茶道。

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