【松林さんインタビュー】 強みの明確化と仕事へのスピード感が活躍への近道

【松林さんインタビュー】 強みの明確化と仕事へのスピード感が活躍への近道

【第2回 公的支援に携わる中で見えたもの】
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【松林さんインタビュー】

診断士になられた当初に苦労された自身のご経験とそこから見えてきたこと、そして現在に至るまで大切にしている思いについて語っていただきました。

先輩診断士のサポートで公的支援の世界へ

――独立された当初に苦労されたことについてお聞かせ下さい。

私、基本的におめでたい人なんですよ(笑)勤務先を辞めた時もたまたま会社の業績が悪くなって希望退職者を募集したタイミングがあったので、「独立したら当面これで食べていく」というような青写真も全くないまま、楽観的な気持ちでパッと辞めたんです。当然そんなにうまくいくわけがなくて、全く仕事がなかったです。

――その後、どのようにお仕事を作っていかれたのですか。

最初に手掛けた仕事は実務補習の先生が紹介してくれたチェーン展開するある塾の案件で、組織づくりとか教室長の育成に携わりました。しかし、その後は次の仕事がなかなか来ないわけです。「どうしようか」と思っていたらマスターコースや研究会で出会った方々の紹介で東京商工会議所の事務局や公的機関の経営相談員の仕事をいただくことができました。これで週4日固定の仕事を持つようになり、やっと食べていける状態になりました。何も仕事がないときに声をかけて仕事をくださった方についてはこれからも大切にしたいと思っています。

理論よりも大切なこと

――初期に携わった公的支援の仕事で印象に残っている案件はありますか。

独立してから4年目の時にメーカーの事業承継の案件を専門家派遣として担当したことがありました。創業者の方は既にご高齢で、娘婿さんが後継者になっていましたが、お互い円滑にコミュニケーションが取れておらず、うまくいっていないという状況でした。そこで、ある意味危険な賭けでしたが、「これからどのように家業を良くしていくか」ということについて、お酒を飲みながら本音で語り合う場を一席設けました。それをきっかけにお互いのコミュニケーションが密になって、本音で言い合える状況に変えていくことができました。まず経営に携わるみんなの気持ちの統一というのが出発点にあってこそうまくいくという、ひとつの教訓を得られた案件でした。

――いくら優れた理論があっても、人の気持ちがついていかないと成果が出ないということですね。

そうですね。色々な角度から打ち手を考えていくわけですが、まずは人の気持ちのベクトルを合わせないとうまくいかないということです。中小企業、零細企業であれば、できてないことは山ほどありますが、そこで「経営の理論がこうだからこういう風にやるべき」というような正論をぶつけても相手に全く響かないわけですよ。相手にわかるような言い方で伝えるということが大事ですね。

岡田 啓吾

岡田 啓吾 取材の匠メンバー、中小企業診断士

1987年生まれ,兵庫県神戸市出身。京都大学法学部卒業後,国内最大手の重工メーカーにてサービス営業、総務業務に従事。その後コスト削減コンサルティングを専門に手掛ける日系コンサルティングファームに転職。現在はクレジットカード加盟店手数料、各種システム費、旅費交通費等の販管費のコスト削減業務に従事している。2019年9月中小企業診断士登録。

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