【土屋俊博さんインタビュー】 事業者と地域の魅力を共創し、地域活性化を実現したい

【土屋俊博さんインタビュー】 事業者と地域の魅力を共創し、地域活性化を実現したい

【第1回 当事者意識をもって支援する】

【土屋俊博さんインタビュー】

土屋俊博さんは、企業で働きながら中小企業診断士として幅広い活躍をしています。彼のやりたいことは一貫して地域支援です。地元長野から上京したからこそ分かった、地域のすばらしさ、地域活性化への思いを持ち続け、その思いと活動を認められて、今は本業でも地域活性化に繋がることに携わっています。

土屋さんの活動への思いから、診断士に求められることをお伺いしました。

現在の企業での仕事

――現在、お仕事は何をされているのでしょうか。

2019年6月より内閣府に出向して、政府の政策であるSociety5.0の実現を推進する活動をしています。以前は、出向元で1年間スマートシティに関する事業企画の部署におりました。Society5.0を現実世界に実装したものがスマートシティです。スマートシティは、デジタライゼーションによる街づくりで、活力ある豊かな生活を作っていこうという考え方です。

――今のようなお仕事をしたくて入社されたのですか。

長野から上京して、田舎の生活がもっと良くなるような仕事をしたいと志し、ITを活用した地域活性化をするために大手電機メーカーに就職しました。入社2年目から経営企画部門で効率化や事業構造改革などに従事していました。2013年に中小企業診断士を取得し、本業の傍らで地域活性化に関する活動をしていましたが、2018年に社内にスマートシティに関する事業企画が設立された際に異動し、入社来念願のまちづくりに関する業務に携わることになりました。

診断士活動

――診断士を取得してどのような活動をされたのですか。

診断士資格を取得した当初、東北の事業者を東京から支援する復興支援プロジェクトに携わりました。デザイナーやWeb制作者などは多くいたものの、事業者の悩みにトータルに応えられる支援者として診断士が求められている、という話を受けて支援を始めたのです。

他にも、学生時代に住んでいた縁で、東京都文京区の谷中銀座商店街の支援をすることになり、ブランディングやイベント企画などをしていました。

――今はどのような活動をされているのでしょうか。

現在住んでいる千葉県流山市の様々な事業者の支援を行っています。テクノロジーを活用した地域課題の解決を目指したり、テレワーク支援をしたり、大学生の起業支援も始めようとしています。

他には、シビックパワーバトルという町おこしイベントの実行委員をやっています。シビックパワーバトルは、移住や観光などの人を誘致したい地域において、市民に地域の良さをプレゼンバトルで伝えてもらい、シティプロモーションをするイベントです。

他の地域支援としては、静岡県南伊豆町の方々と共に、南伊豆町の地域診断事業や産業振興計画策定を通じて、実際に地域活性化を実現するための支援をしています。

――南伊豆町の支援は地域全体ということで、かなり規模が大きい支援ですね。

そうですね。まちをトータルで見る難しさがあります。立場によって課題がバラバラなので、誰のためにやればいいかとっても悩むんです。そうやっていくと、結局自分としてその地域をどうしたら良くなるかという確信を持って動かないと駄目で、支援する側というより、自分が当事者だったらどうするかという考えで支援をするようになりました。パラダイムシフトでした。

――これらの活動は自分で構想をまとめて人を募ってやっているのですか。

自分が発信源になって始めた活動は多くはないです。構想を持っている人をサポートして、その構想がうまく回るようにお手伝いをする活動がほとんどです。それも、診断してアドバイスするというよりは、自分が実際に共働するかたちです。それが楽しいし、自分には合っていると思っています。

那須 美紗子

那須 美紗子取材の匠メンバー,中小企業診断士

大学卒業後,証券会社で企画業務に約10年,出向にて信託銀行の業務システムのシステムエンジニアに約2年従事。その中で,システムや業務の新規構築・改善を幅広く経験。2019年に中小企業診断士登録。自身も3人の子供を育てながら働く経験を活かし,働く親の支援活動も行う。趣味は旅行と茶道。

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