【仲田俊一さんインタビュー】 異色の経歴?地方自治体勤務の広告マン中小企業診断士に聴く!

【仲田俊一さんインタビュー】 異色の経歴?地方自治体勤務の広告マン中小企業診断士に聴く!

【第2回 公務員の立場から見る中小企業診断士】
過去の記事:第1回

【仲田俊一さんインタビュー】

民間企業に勤務した後に独立。中小企業診断士(以下,診断士)資格取得後は,市役所で「シティプロモーション」の専門家としてのお仕事も開始した仲田俊一さん。第2回は診断士に求められることなどを中心にお話をうかがいました

※写真は製作した市のPR誌増刷を記念した同僚との1枚。

新しいフィールドで

――民間企業と独立を経験した後,市役所で働くというのも珍しいケースのように思います。働いてみての感想を教えてください。

週3日の短時間勤務正職員として,市役所でも珍しい勤務形態で入庁しました。中途採用で民間から来て,しかも週3日勤務ですし,当初は同僚の皆さんにも気を遣わせたと思います。仕事や環境にも慣れるまでは数箇月かかったでしょうか。

その後,自身の得意分野に特化して仕事をさせていただくようになりました。プロモーションのプランニングやディレクションが仕事の中心です。メンバーにも恵まれ,お互い言いたいことを言える環境があります。

また,地方自治体に入って気が付いたのは規模の大きい仕事に携われるということ。今までに味わったことのない,自治体職員の面白さというものを感じましたね。現在とても楽しく仕事をさせていただいています。

診断士に求められることとは

――市役所職員としての立場から,診断士についてはどのように感じましたか。

入庁して,地方自治体での診断士の知名度はまだまだ低いと感じました。同じ公的機関でも商工会議所の方とお会いすると当然診断士のことを知っていますが…。

本来,地方自治体と診断士は様々な場面でもっと接点を持つべきだと思いますが,そういう機会が少ないように感じます。特にシティプロモーションに関して言えば診断士の活動の場がもっとあるのではないでしょうか。というのも,診断士の場合はマーケティング策の実行だけにとどまらず,そのスキルを活かすことで戦略立案から実行までを一気通貫で行うことができますからね。

――地方自治体が診断士に求めること,期待することは何だと思いますか。

シティプロモーションではSWOTなど環境分析や市場分析が必要となることがあります。一緒に働く皆さん優秀な方がとても多いのですが,そのような考えを学ぶ機会がなかったり,業務として新規立ち上げの経験が充分でなかったりします。

また,入庁後に市のPR冊子を作り市外の住民へ配布しました。配布後,以前は行っていなかったインターネットによる効果測定を行ったところ,配布前に比べ市に対する認知度が向上しました。まさに診断士が得意な「PDCAを回す」といったことです。

診断士の持つ知識やそれらを活かした施策の立案と実行は,地方自治体にとっては貴重だと思いますね。

波多野 晶博

波多野 晶博 取材の匠メンバー,中小企業診断士

大学卒業後,東証一部上場の総合アパレルメーカーにて人事・経理業務を経験。その後,中小医療機器メーカーに入社し人事・総務業務に従事。特に人事業務では,採用,教育,人事制度,労務,福利厚生など,社員の入社から退職まで一気通貫で幅広く経験してきた強みを持つ。社会保険労務士。

診断士に求められることカテゴリの最新記事