【日景聡さんインタビュー】 “30年後の自分の存在・役割”からひも解く「ワタシの持続可能性」

【日景聡さんインタビュー】 “30年後の自分の存在・役割”からひも解く「ワタシの持続可能性」

【第2回 「おっさん」は世のためにならないという危機感】
過去の記事:第1回

【日景聡さんインタビュー】
(撮影:中小企業診断士 石田 紀彦氏)

今回は2010年に診断士試験に合格し、大手マスメディアで企業内診断士としてご活躍した後、2019年に独立診断士に転身し、中小企業でのSDGsの推進や大学生との連携に注力されている日景聡さんに、その活動にかける想いを伺いました。第2回では,診断士取得の契機と独立を決意したエピソードについて語っていただきます。

高尚な「コンサル」よりも、かみ砕いて伝えられる「診断士」に

――診断士資格の取得を思い立った経緯について教えてください。

私は、元々マスメディアで編集部門に従事していたのですが、1990年代半ば、インターネットビジネスの導入を 社員有志グループで社長に提案したところ、「君がやってくれ」と企画部門に配属されました。

マスメディアは大企業といっても、 中小企業的な組織であることが多く、組織の壁を打破しようと、初めて外部コンサルタントの導入を提案しました。 プロジェクトが立ち上がり社内調整で苦労するうちに実感したのは、高尚なコンサルより、よくかみ砕いて伝えられるコンサル=「診断士」の必要性でした。

そして、40代半ば過ぎた頃に感じた危機感が直接の契機でしょうか。自分の生身の市場価値を知るため転職サービスに評価してもらったのですが、結果は散々。“何もできないおじさん”という評価でした。社内改革の先頭に立ってきた自負は崩れ去り 、 会社の看板がないとこんなものかと思い知らされました。

「おっさんは会社をつぶす」~危機意識が押した独立の決意

――独立を決心したエピソードがあれば教えて頂けますか。

実は、診断士に合格して以降、 資金繰り支援や補助金申請の支援など 、 いわゆる 、 診断士らしい活動はあまりしてきませんでした。 一方、素晴らしい経営者と会ったりSDGsの推進をしたり、 自分が力を入れたいことには多くの時間を割いてきました。 有給休暇を惜しまず取得し、更には睡眠時間を削っても1日24時間では足りないという状況。 どこかで時間を生み出せないか。

そんな中、 一番もったいない時間だと思えたのが「会社のデスクに座っている時間」でした。このまま会社勤めで仕事を続けていては、発想法とか意識がどんどん凝り固まってしまうと、強い危機感を持ちました。それが独立しようと思ったきっかけです。

最近、「おっさんは会社をつぶす、おっさんは社会をつぶす、おっさんは世界をつぶす」といって、よく若い人に笑われますが、既成概念を変えられない人は、変われないだけでなく世の中にマイナスに働くと感じています。

伊藤一彦

伊藤一彦 取材の匠メンバー、中小企業診断士

1966年生まれ。神奈川県横須賀市出身。東京大学経済学部卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。以降、グループのリース会社やベンチャーキャピタル(現職)で計28年間法人向けの資金調達支援に従事。2019年9月中小企業診断士登録。趣味は中国古典等の読書の他、懸垂・握力強化等の身体の鍛錬。

輝く診断士のお仕事紹介カテゴリの最新記事