【鈴木七瀬さんインタビュー】尊敬する上司が背中を押してくれた中小企業診断士の道

【鈴木七瀬さんインタビュー】尊敬する上司が背中を押してくれた中小企業診断士の道

【第3回 中小企業診断士✕デザインを武器に】
過去の記事:第1回第2回

【鈴木七瀬さんインタビュー】

新卒から総合商社に入社して9年目になる鈴木七瀬さん。2021年4月からは、水素を使った街づくりや、水素のインフラ事業に携わっています。規模の大きな仕事をしながらも、個としての専門性・多様性が必要と考えて、診断士試験を受験されました。第3回は、診断士資格を生かした将来の展望についてうかがいました。

診断士試験合格後デザイン経営を学んで

――中小企業診断士は手段の一つというお話がありましたが、今後のキャリアプランは?

それが、まだ具体化できてないんですよね。お世話になっている上司には、30歳までに人生の方向性を決めたほうがいいぞって言われてたんですけど。もう30歳になっちゃいました。最近は、まあ35歳でもいいんじゃないって言ってくれるんですけどね。なので、キャリアについてはすごく悩んでいて。今は、人の気持ちをデザインして、人の共感を得るとか、ストーリーを作って訴求していくことに関心がありますね。それでみんなが笑顔になったら楽しいだろうなって。

――診断士試験に合格後、多摩美術大学でデザイン経営の講座を受講されたそうですね。そこでは、どのようなことを学ばれたのですか?

特許庁が発行している中小企業のためのデザイン経営ハンドブックを見てから、デザイン経営に興味があったんです。中小企業診断士の考え方って、ゴールを決めて、最短距離で向かうにはどうしたらいいかっていうのが多いじゃないですか。デザイン経営は、作りながら思考していくという、また異なった考え方なんです。美術大学のコースだったからかもしれないですけど、絵を描いたり、色んなものの日々の観察から違和感や気づきを得るとか、全然違うアプローチを勉強しました。それが凄く面白くて。事業開発や経営に落とし込んで、それを自分の武器にしていきたいと思っています。

今も、習ったことは続けていて、違和感を日々探すとか。例えば、「ブルーピリオド」(講談社・山口つばさ作)という美術系の漫画があるんですが、その中で、お母さんの絵を描くエピソードが出てくるんです 。よく見ると右手だけ筋肉がついてる、それは右手でいつも物を運んでいるから。食事を出す時に、見栄えが悪いのは自分が食べたり。お母さんってこういうことをしてくれてるんだなあって気づく。そんな日々の生活の中での違和感や人の優しさへの気づきなどが、いつかイノベーションにつながるんだろうなって思っています。

今は先生やデザイン経営に興味を持つ人とたくさんつながれています。どうしたら仕事の中で学んだことを生かせるか、教えてもらったりしていますね。今は、街づくりにデザイン経営を生かせないか模索中です。

ユニークな存在になりたい

――診断士試験に合格してからも常に新たな挑戦をされていますね。今後、新たに挑戦しようと思っていることはありますか?

今は一番興味があるのがデザインなので、いずれ美術大学の修士を取りたいなと思っています。そちらの領域で差別化していきたいなって。中小企業診断士のキャリアとしては、中小企業診断士✕デザインを持っている人になりたいです。

中小企業診断士って多分、ロジカルシンキングですよね。全体論的に考えて、事実検証していくっていう。それとは別に、モヤモヤしながら進んでいって一点突破を目指したり、その1つの変化をどう全体につなげるかを大事にしたり、共感を得るという視点があると面白いなと。どちらの考え方もよいところと悪いところがあると思います。その両方の視点を持っている中小企業診断士になれれば、ユニークな存在になれるのかなと思っています。

――人生を通して、こうなりたいという目標はありますか?

何度も話に出てきた、上司のようになりたいですね。会社を辞めたい、つらいみたいな時期も全部サポートしてくれたり、本当にお世話になっていて。会社だけの関係じゃないよい上司だなって思います。ご本人も人生経験をたくさん積まれているので、適切なアドバイスをしていただける。ああいう人間になりたいなって思う一番の人ですね。

江川香子

江川香子 取材の匠メンバー、中小企業診断士

東京都出身。大学卒業後、医療ガス・医療機器ディーラーに入社。同一企業で約10年、医療機関に対する営業職に従事。第一子産休育休中に、中小企業診断士試験を受験。2020年度に合格。2022年に中小企業診断士登録。東京都中小企業診断士協会城北支部に所属。2022年9月から都内のコンサルティングファームに勤務。

 

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