【林栖さんインタビュー】自分に合う勉強法と2次試験解答の多様性に気づき診断士試験合格

【林栖さんインタビュー】自分に合う勉強法と2次試験解答の多様性に気づき診断士試験合格

【第3回 専門領域の確立で優しい日本社会の実現】
過去の記事:第1回第2回

【林栖さんインタビュー】

医療介護のIT系企業に勤めながら診断士試験に合格した林栖さん。第1回と第2回は転機になった診断士試験合格後の変化や合格までの道のりについてうかがいました。第3回は、今後の目標や中小企業診断士としてのご自身の理想、介護への想いについてお話をいただきます。

得意な中国語をいかした貢献

――苦労して掴まれた診断士資格をいかした今後の目標を教えてください。

仕事で中小の介護事業所の業績向上につながる支援ができるように、経験を積み支援スキルをアップデートできるようにしていきたいですね。またWEBマーケティングのスキルを活用した中小企業のPRや集客、マーケティング支援などができるようになりたいです。その他では専門の医療介護分野での支援事例創出、日本で経営をしている中国語を使う経営者に情報提供も含めて経営支援をしたいです。さらに執筆や研修などにも積極的にチャレンジしていきたいです。

――スケールが大きいですね。中国はこの10年以内で一番の課題は何だとお考えですか?

少子高齢化というのは明らかな課題としてあります。ヨーロッパでは50年以上、日本は30年ぐらいで高齢社会に突入していますが、中国は日本以上に短期間かつ大きい規模で高齢社会に突入していく予測があります。医療福祉に関してはまだまだ日本に学ぶ部分が多いので、その部分の知見の輸出・ノウハウの支援は一定の機会はあると思っています。

介護領域で伴走型支援、そして介護のあるべき姿に向けて

――長いスパンでご自身の夢やビジョンはありますか?

医療もそうですが、特に介護領域ですと中小企業や零細企業が非常に多いので中小企業診断士の対象領域が多いのかなと感じています。そういった方々に経営リテラシーの向上や業績向上につながる伴走型支援ができるようになりたいと考えています。

将来的には医療と介護という自分自身の専門領域が確立している状態で、執筆とか講師とか発信できるような状態は作りたいですね。「あの領域であればあの人だよね」と、他の人からも全国的に話題としてあがっていく状態が作れたら理想ですね。

――そして、支え合いのできる優しい日本社会の実現ができるといいですね。

介護されているご家族の方に一番近くで寄り添っているのは、やはり介護のスタッフと事業者なんです。雇われる立場から、経営する立場にすぐに適応できない経営者が多くいらっしゃいます。多くのケースにおいて、事業の成長が緩やかで、資金繰りが厳しくなり事業の継続が危ぶまれてしまうことがあります。実際開業してから1年以内に廃業してしまう事業者も少なくないようです。

経営者がそれぞれの事業ステージにおける「あるべき姿」を理解し、正しく事業判断できるようなサポートをコンサルタントとして行えるようになりたいと思っています。結果として介護しているご家族の方がご自身の仕事もその介護も両立できるような世の中が作れるといいですね。社会的な意義も高い仕事と感じていますし、微力ながらしっかりと支援していきたいと考えています。

――最後に勉強の方向性に悩まれている多くの受験生に助言をお願いします。

限られた勉強時間内で手を広げすぎず、「選択と集中」を行っていただき、最後まであきらめないで、走り抜けてほしいと思います。また自分に合った勉強法(独学、通信、通学等)を早く見つけて、決めたら最後までやりきることが大事だと思います。時間の価値はその時々で変わると思うので、勝負をかけるタイミングになった時、時間をいかに有効に使うかで人生が決まります。後悔がないよう最後まで頑張ってください。

栗秋 幸裕

栗秋 幸裕 取材の匠メンバー、中小企業診断士
2022年1月中小企業診断士登録、東京都中小企業診断士協会城東支部所属。1968年福岡県で生まれ東京で育った。中央大学経済学部国際経済学科卒業後、大手通信業のIT系で約10年間の営業を経験した後、本社で事業企画や委託会社運営を経験。2005年から維持しているITコーディネータと両立しITで経営の効率を目指す企業の支援をする企業内診断士として活動中。

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