【大井秀人さんインタビュー】「複」業診断士を目指して

【大井秀人さんインタビュー】「複」業診断士を目指して

【第2回 不合格で「理論」の大切さを知る】
過去の記事:第1回

【大井秀人さんインタビュー】

4回もの転職を経験され、現在お勤めの化粧品メーカーのIT部門でマネジメント業務をされている大井さん。様々な実務を経験しながら、充実したキャリアの途中で出会った中小企業診断士。第2回は勉強時間の確保の仕方や勉強方法についてうかがいました。

スキマ時間を活かして、勉強と趣味と家庭すべてを充実させる

――本業もお忙しい中、どのようにして勉強時間を確保されていたのでしょうか

タイムマネジメントを徹底しました。受験するからといって、生活を犠牲にはしたくありませんでした。家庭、趣味に制約をかけてしまうと何のために資格をとるのか、と変な深みにはまって、モチベーションが続かないと思ったのです。だからスキマ時間での勉強を積み上げたり、曜日ごとの勉強時間配分を徹底したりと、効率的に勉強できるよう工夫しました。仕事以外に自分が自由に使える時間ってこうなっているから、そこから逆算してここは勉強に、ここは趣味や家族サービスにあてようっていう考え方ですね。

――1次試験は1年目で合格されたとのことですが、大体の勉強時間を教えてください

ちゃんと計算したことはないですが、300時間ちょっとくらいだと思います。実は真面目に勉強しだしたのは4月からだったので、そこから約4か月の勉強期間で1次試験に臨みました。先程もお話ししましたが、1次試験の科目の大半はこれまでのキャリアに関連のある科目でした。例えば、運営管理は勤務先が製造業でしたし、経営法務に関しては知財を実務で経験したので、ここにはあまり勉強時間はかけませんでした。

「理論」が足りていなかった受験1年目

――実際に1次試験を受験された後の手ごたえはいかがでしたか

それがあまりなかったのです。経営法務がかなり難化した年で、私も自己採点では厳しい結果だったので、正直落ちたと思い、来年頑張ろうと切り替えていました。1次試験の合格発表があるまではのんびりしていましたね。実際は合格していたので、急いで2次試験の勉強を始めました。

――1次試験合格発表の後からでは2次試験の勉強時間はあまり取れなかったのでは

100時間もいかないくらいですね。結果は不合格でした。手ごたえもなく、特に事例Ⅳがさっぱりでした。事例Ⅰ~Ⅲは60点前後得点できたのですが、合格するには実力的に不安定と痛感しました。2次試験を解くにあたっては、「理論」が重要だと思うのですが、1年目はそこが足りていない状態ということを実感させられました。逆に言えば「理論」さえしっかり理解すれば合格できると思ったのです。それで来年も頑張ろうと。

知識があっての理論

――敗因は事例Ⅳと明確にわかっていたのですね

はい。ただ事例Ⅰ~Ⅲに関しても4か月の付け焼刃の勉強しか1年目はできていなかったので、50から60点程得点できていたとはいえ、「理論」を理解するためにもう一度1次試験の勉強からやり直そうと思いました。

――1次試験の勉強からやり直すにあたって、特に意識したことはありますか

特に事例Ⅳが顕著ですが、ちゃんと知識を頭に入れることですね。知識がないと「理論」を理解できず、自分の解法パターンを確立できない。それでは事例Ⅳには歯が立たないことは1年目でよくわかりました。事例Ⅰ~Ⅲも同じです。「理論」を理解したうえで、試験の問題に対する解を展開する。「理論」なく自分の見解を答えるだけでは、2次試験では得点できません。 事例ⅠとⅢは製造業で管理職をやっていたこともあり、「理論」を理解するのに時間はかかりませんでした。ただ事例Ⅱのマーケティングは実務であまり関わってこなかったので、意識的に知識を入れて「理論」を自分の中で理解するように心がけました。





本告 友規

本告 友規 取材の匠メンバー、中小企業診断士
兵庫県出身、大阪府在住。農学部卒業後、菓子メーカーに入社。その後マーケティングの部署で菓子ブランドのマネージャーを4年務めたのち、関西にある某テーマパークへ入社。現在は課金制サービスの企画・開発に従事。2022年2月中小企業診断士試験合格。同年5月中小企業診断士登録し、大阪府中小企業診断協会に所属。妻との育児完全分担を永遠のテーマとしており、中小企業診断士の活動の傍ら4歳と1歳女児の育児に励む。

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