【大井秀人さんインタビュー】「複」業診断士を目指して

【大井秀人さんインタビュー】「複」業診断士を目指して

【第3回 学びを積み重ねて、パラレルを目指す】
過去の記事:第1回第2回

【大井秀人さんインタビュー】

4回もの転職を経験され、現在お勤めの化粧品メーカーのIT部門でマネジメント業務をされている大井さん。様々な実務を経験しながら、充実したキャリアの途中で出会った中小企業診断士。第3回は今後の中小企業診断士としての資格の活かし方についてうかがいました。

診断士受験が好循環を生み出す

――結果2回目の試験で見事合格されていますが、1次試験のやり直しが成功要因でしたか

事例Ⅳは本番で計算ミスをしてしまったので、1年目とあまり差はなかったですが、意識的に知識を入れなおした事例Ⅱでしっかり得点でき、結果的に合格することができました。合格後に中小企業診断士の先輩におっしゃっていただいたのは、「知らなかった、得意じゃなかったからこそ「理論」で回答できた、それがよかったんじゃないか」と。ネイルサロンとか全然知らなかったですからね。「ネイルサロンで合格点がとれたんですか、すごいですね」って笑。(注:ネイルサロンは2019年度2次試験事例Ⅱの題材でした)

――中小企業診断士受験を振り返って、何か身の回りで変化はありましたか

実は、2回目の受験の年に今の会社に転職しているのですが、試験に合格するという目標をもった前向きな気持ちだったので採用試験に受かりやすかったのかなと思います。結果として、中小企業診断士受験を志すきっかけになった、収入も回復しました。さらに合格したことで自信を持って中小企業診断士の活動をやっていこうと思えて、副業にもチャレンジしています。中小企業診断士を受験することが、ひとつの良い循環を生むきっかけになりましたね。

合格後も絶えずインプットを

――試験に合格後、現在にいたるまでどのように中小企業診断士として活動されてきましたか

1年目は、ほぼインプットにあてていました。東京都診断士協会のマスターコースに入会し、研究会などにも参加していました。2年目はインプットとアウトプットが半々くらいですね。補助金申請のお手伝いをさせていただいたのですが、今の知識に加えて新たに勉強も必要なので、インプットとアウトプットが同時にできました。

――今年はどのように活動されていく予定ですか

今年はインプットをまた増やそうかなと考えています。2021年に多くの補助金申請をお手伝いさせていただき、付け焼刃で知識が安定化していないということを感じました。一緒に活動した中小企業診断士の先生方はいろいろな経験をされていて、いろいろな分野に携わっておられ、そしてすごく勉強されていたのです。中小企業診断士になってよかったなと思うのは、勉強して、その道でしっかり成果を出していらっしゃる方たちのお話をたくさん聞けることですね。

「複」業診断士への挑戦

――今後の診断士活動の展望を教えてください

今の化粧品メーカーでの「研究開発におけるDX」というテーマは面白く、これはこの先もやっていきたいです。一方で、最終的には関西に戻ってきたいと思っています。そのための手段として、中小企業診断士活動がベースにある今は東京協会に所属していますが、近いうちに兵庫県の診断協会にも入会して、兵庫県で中小企業診断士の仕事をしたいなと考えています。

企業内の仕事も、中小企業診断士としての仕事も、両方とも自分の仕事だと言えるようにいけるとこまでいってみたいなと。ただ企業内診断士という制約がある中で、自分のリソース確保が目下の悩みです。中小企業診断士の活動で学んだこと、経験したことは企業内での仕事にも活きるのです。

例えば、化粧品関連会社を支援したことが1回ありました。そこでの話はリアルな業界動向を知る機会でもあるので、部下たちからしたらダイレクトに面白いですよね。中小企業診断士の仕事と企業内での仕事、これがつながりだすと両立も苦にならないのじゃないかと思います。そういうロールモデルに自分がなれたら理想的です。



本告 友規

本告 友規 取材の匠メンバー、中小企業診断士
兵庫県出身、大阪府在住。農学部卒業後、菓子メーカーに入社。その後マーケティングの部署で菓子ブランドのマネージャーを4年務めたのち、関西にある某テーマパークへ入社。現在は課金制サービスの企画・開発に従事。2022年2月中小企業診断士試験合格。同年5月中小企業診断士登録し、大阪府中小企業診断協会に所属。妻との育児完全分担を永遠のテーマとしており、中小企業診断士の活動の傍ら4歳と1歳女児の育児に励む。

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