【D・Sさんインタビュー】経営者に寄り添える弁護士になるために―ダブルライセンスで個性を出す―

【D・Sさんインタビュー】経営者に寄り添える弁護士になるために―ダブルライセンスで個性を出す―

【第2回 解答パターンを掴んだカギは15年分の過去問演習】
過去の記事:第1回

【D・Sさんインタビュー】

司法試験の勉強と並行して診断士試験の勉強に取り組んでいたD・Sさん。2次筆記試験の勉強中には、事例ⅠからⅢの学力向上が見えないという問題に直面しました。第2回目は2次筆記試験の攻略法や合格した時の心境についてうかがいます。

もっとも大事な事例Ⅳから固めていく

――2次筆記試験の勉強はいつ頃から始めましたか。

中小企業診断士の1次試験と司法試験が終わった2020年9月ごろからです。2次筆記試験においてもっとも大事だと聞いたことのあった事例Ⅳから勉強を始めました。そこから約5か月間は、日に1時間くらい事例Ⅳの過去問を解くようにしていました。

――1次試験の勉強ではテキストを読んでわからなくても調べないようにしていたそうですが、事例の勉強も進め方は同じですか。

事例Ⅳは解き方を理解する必要があったので、1次試験とは逆に、テキストに立ち返ったり解説をしっかり読んだりしていました。約5か月間取り組んだおかげで、2回目の1次試験の勉強を始める直前の2021年4月ごろには、おおむね合格できそうな目処が立っていました。

合格後をイメージしてモチベーションを維持

――事例ⅠからⅢはいつ頃から勉強を始めましたか。

1次試験の勉強中は1次試験に集中し、2回目の1次試験が終わってから始めました。勉強を始めた当初は過去問を解いて自己採点をしてみると40点近い時もあれば60点近い時もあり、点数が安定しませんでした。解答として何を求められているのかわからない、勉強しても伸びが見えない、と思って勉強が気乗りしなかったんです。

――その気持ち、すごく分かります(笑)。その状況はどうやって打開したのですか。

各年度1回ずつですが、過去問を15年分解きました。最初は自信なく解答を書いていましたが、途中から、この流れならこの解答パターンだな、だとするとこの要素とこの要素は絶対にどこかに書かなければいけないな、と自然にわかるようになっていきました。

――勉強に対して気乗りしない時、モチベーションはどうやって保っていましたか。

合格後の姿をイメージしていました。合格したら中小企業診断士としての知見を活かしながら経営者の質問に回答していくことができそうだな、弁護士業務でも自信が持てるだろうな。そう考えると、この勉強している時間を無駄にしたくない、だから合格するぞ!という気持ちになり、前に進むことができました。

作問者の視点で解けた時は点数が高くなる

――過去問の解き方と自己採点のポイントについて教えてください。

強み・弱み・課題・解決策にラインマーカーを引いて要素を洗い出し、設問ごとに各要素を振り分けて解答を書いていました。そして自己採点する際は、洗い出した要素が解答内のどこに書いてあるか、というのを見ていました。漏れなく重複なく書いてある場合は点数が高く、反対に、振り分けて書いたはずでも書き漏れや複数の設問に同じ要素が書いてある場合は点数が低かったです。

――勉強を進めるなかで、点数が高くなる際の傾向など変化は感じられましたか。

途中から、ラインマーカーを引いている最中に、いかにも書いてほしそうな要素がある!これは書かなきゃ!と気づけるようになりました。今考えると、点数が高かった時は作問者の視点で過去問を解けていたのかもしれません。

――勉強を重ねたうえで、2次筆記試験に合格できた際はどういう心境でしたか。

合否発表が出る前は、6割は無理・4割は合格できていたら嬉しい、くらいの心境でした。ただ今までの経験上、これくらいの手応えの時には、だいたいダメだったんです(苦笑)。なので、合格したとわかった時はめちゃくちゃ嬉しかったです。



依田 彩那

依田 彩那 取材の匠メンバー、中小企業診断士
大学では社会福祉・観光経営を学び、新卒にて自動車部品メーカーへ入社。約6年の在籍期間中に人事・法人営業を経験。現在はソフトウェア開発会社の人事部門にて、研修・キャリア開発担当として社員が働きやすい環境づくりに奮闘中。趣味は人と話すこと・サブスクリプションサービスで好きな音楽を探索すること。

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