【石川慶成さんインタビュー】経営者に伴走する中小企業診断士になりたい。多年度受験でつかんだ合格の先にあるものとは。

【石川慶成さんインタビュー】経営者に伴走する中小企業診断士になりたい。多年度受験でつかんだ合格の先にあるものとは。

【第2回 最後の決め手は得点開示請求。試行錯誤の末につかみ取った合格】
過去の記事:第1回

【石川慶成さんインタビュー】

2021年度の中小企業診断士試験に合格された石川慶成さん。全3回でお届けするインタビュー記事の第2回は、勉強方法とモチベーションを保つコツについてうかがいました。

達成感がカギ。モチベーションを維持するコツとは。

――診断士試験の勉強はいつから始められましたか?

2018年の年始からです。1次試験は2018年にストレートで合格しました。2次試験はなかなかうまくいかなくて4回受験、結局4年間も勉強することになりました。

――4年間も試験勉強を続けるのは大変だったと思います。どのようにモチベーションを維持しましたか?

勉強を続けることができたコツは、「達成感」です。私の場合、壮大な計画を立てると途中で心が折れてしまうことがあります。そこで、本当に少しだけ計画の難易度を下げてあげて、達成可能性の高い計画を立てるのです。例えば、問題集だったら10ページだけは勉強するとか、今週は5章までやったら遊んでもOKのように、継続的に達成感と報酬感を感じることができるようにしていました。とはいえ、試験前になると勉強スケジュールがぎゅうぎゅう詰めになるということはあって、適切な計画を立てることはできていなかったかもしれません。

1次試験突破のポイントは注力領域を絞ること

――負担になりすぎない範囲で計画的に勉強し、1次試験は順調に合格されています。どのように勉強したのでしょうか?

1次試験の勉強は大手予備校の通信講座を利用しました。得意科目は、「経営情報システム」と「中小企業経営・政策」。単純暗記の性質が強いので時間をかけて覚えると得点源になってくれました。

――逆に苦手科目はどのように勉強されたのでしょうか?

「財務会計」が苦手でした。注力したのは、問題を解くときに自分の中で納得できるまでとことん解法に向き合うことです。本質を理解していなければ応用問題には対処できませんよね。計算が苦手ということもあって、じっくりと時間をかけて勉強しました。「経営法務」も苦手で、注力する領域を絞りました。過去問をやっていて民法はどうしても例外のような問題が多くて得点が伸びなかったのです。思い切って民法は捨てて、会社法などの出題が多い領域に注力しました。

勉強方法を変えて4回目の挑戦で2次試験を突破

――2次試験は苦労されたとのことですが、合格年に変えたことはあるのでしょうか?

2次試験の勉強も1~3回目は大手予備校の通信講座を利用しましたが、合格年は「ふぞろいな合格答案(同友館)」シリーズを使用しました。与件文を読んだときに最終的な解答をイメージすることが苦手だったのですが、「ふぞろいな合格答案」シリーズには様々な受験生の解答が載っていて、自分の中でこういうことを答えればいいのかとイメージをつかむことができました。

――計算問題が中心の事例Ⅳはどのように勉強されたのでしょうか?

事例Ⅳの対処で気を付けたのは、「問題ごとに優先順位をつける」ということです。難易度が高い問題で時間を使いすぎることは避けなければなりません。難易度が低いと思った問題を優先的に解き、残った時間でNPV計算のような難易度が高い問題にも取り組むという方針でした。合格した年はA評価だったので、作戦は成功だったのではないでしょうか。

――合格した今、受験勉強中の自分にアドバイスするとしたら何と声を掛けますか?

勉強方法を定期的に見直すことです。2022年度から自動的に得点開示されるようですが、当時は請求しないと自分がABCD評価のどの評価だったのかわかりませんでした。私はその得点開示請求ができるということを合格年度まで知らなくて、どこが悪くて不合格だったのか理解せず漫然と勉強してしまいました。合格年度の勉強中に得点開示請求したところ、できていると思っていた事例Ⅲの点数が例年悪くて不合格になっていたことがわかり、事例Ⅲの勉強のやり方を見直すことで合格することができました。もっと早く見直しをするべきでしたね。




赤宗 行三

赤宗 行三 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1991年生まれ、福岡県出身。大学卒業後入社した飲料メーカーで生産管理や商品開発を担当。経営に関する知識を幅広く学ぶために中小企業診断士受験を決意、2021年度合格。千葉県中小企業診断士協会所属。趣味は野球とサウナめぐり。

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