【佐藤宗一さんインタビュー】ブランクを超えて、今~スタート地点に立つ

【佐藤宗一さんインタビュー】ブランクを超えて、今~スタート地点に立つ

【第3回 新しいことへのチャレンジで人生に彩りを】
過去の記事:第1回第2回

【佐藤宗一さんインタビュー】

佐藤宗一さんは、旧制度時代の2000年に資格を取り、長らくブランクがあった金融機関出身の中小企業診断士です。前回までに、勉強方法と中小企業診断士を目指したきっかけなどをお聞きしました。第3回目は、佐藤さんの今後の活動についてお聞きします。

新しいことをやらないと勿体ない

――ブランク後すぐのプロコン塾は大変ではなかったですか

40歳を過ぎたあたりから、新しいことをどんどんやりたいと思うようになりました。このまま会社から与えられたことをやっているだけじゃなくて、新しいことをやらないと勿体ない、って。銀行を退職しての再就職も、銀行の関連企業に行く仲間が多いのですが、新しいことをやりたいと思い、外に出ました。

――再就職はいかがでしたか

中小企業の実態を知ろうと金融とは全く業種の違うところで働き始めたのですが、会社と自分がやりたいことのずれが大きく、1年で退職しました。でも、中小企業で働くことができてよかったです。実際に中に入ってみないとわからなかった良さとか課題とかがわかりました。

落ち込んでいる暇はない

――再就職した会社を退職したとき、落ち込みませんでしたか

さすがに少しは落ち込みましたが、だめならしょうがない、って思ったので悲観はしませんでした。新しい経験を探せばいいかと。ご縁があって今の金融機関に再就職しましたが、そこでも都市銀行とは違う経験ができますし、現在はプロコン塾の事務局もやっています。いろんな出会いのなかで、自分に合うものが出てくればいいなとアンテナを広げている最中です。

――今後はどういった活動をしていきますか

金融機関にいたことで、幅広くいろいろなことが経験できました。短い期間でしたが、中小企業の内情も経験しました。事業承継や資金繰りの支援、補助金サポートなど、広く浅くですが引き出しがたくさんあります。私はそこが強みだと思っているので、そこを活かしていきたいと思っています。様々な方の幅広い相談に対応するような相談員もやってみたいですね。

新しいチャレンジで彩りができてくる

――その先はいかがでしょうか

まずは中小企業診断士として生計が立てられるようにすることが第一ですが、山小屋のサポートをしたいと思っています。山登りが好きで、山小屋にはとてもお世話になっていますが、中小企業診断士の目で見ると課題も見えてきます。

――山小屋の廃業も聞きますね

山小屋は食材の調達が大変ですし、厳しい労働環境なのでスタッフの確保も大変です。オーナーの高齢化も進んでいるので、事業承継の問題もあります。もっとも厳しい中小企業です。日頃お世話になっているので、力になれることをしたいと思っています。まだ具体的にどうこうはありませんが、中小企業診断士としての経験を積んで取り組みたいです。

――新しいチャレンジの連続ですね

山登りだけでなく、ランニングをしたりバンドでドラムも叩いています。一か所にとどまらずいろんなところに手を出してやっていくと、残りの人生、いろんな彩りが出てくるんじゃないかなと思っています。中小企業診断士のブランクから目覚めて、たくさんの人たち、若い人とも出会えるし、毎日知的好奇心に満たされています。これからもいろんなことにチャレンジして、自分の可能性を広げていきたいです。

――診断士資格をうまく活かせていないと思っている方にメッセージを

スキルのあるなしに関わらず、中小企業診断士として活躍していくには、人との出会いが大事だと思います。いろいろなことにチャレンジして機会をいただく。一歩踏み出してみれば可能性が広がると思います。中小企業診断士の資格を取っても活かせていないと思っている方がいたら、自分がチャレンジすれば可能性は無限にある、と伝えたいです。



大野千佳

大野千佳 取材の匠メンバー、中小企業診断士
神奈川県在住 横浜国立大学教育学部卒業 2022年中小企業診断士登録 公共文化施設での事業企画制作の後、公益法人本部で財務会計に従事。公共施設運営、公益法人会計・運営、指定管理者制度、研修企画を得意とし、ファシリテーションによる事業計画作成や、持続可能な公共施設の経営モデルを研究している。今後はアーティスト支援もしていく予定。神奈川県中小企業診断協会所属。

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