【井上雄介さんインタビュー】家族への思いからつかんだ執念の合格、2次試験徹底分析勉強メソッド

【井上雄介さんインタビュー】家族への思いからつかんだ執念の合格、2次試験徹底分析勉強メソッド

【第2回 2次試験多年度生へ贈る勉強メソッド】
過去の記事:第1回

【井上雄介さんインタビュー】

第2回は井上さんの3年半に及ぶ中小企業診断士試験の経験から導かれた勉強メソッドに迫ります。

割り切りも大事

――1次試験はどのように勉強しましたか?

1回目は資格学校のDVD形式の講座を受けました。DVDを見る時間が確保できず、結局テキストを見て臨みました。2回目はDVDを見るのは時間が拘束されるため自分とあまり合っていないと気づいたため、テキストと問題集を解くという形に切り替えました。テキストを読んで問題を解くことを2〜3周行い、苦手分野を重点的に学習しました。

――得意科目・苦手科目はありましたか?

業務上財務が得意と言っておきます。苦手科目は経営法務、中小企業政策などの暗記科目が苦手でした。

――1次試験で勉強してこれが良かったというポイントはありますか?

1回目に1科目合格し、2回目に合格しましたが、合格点ギリギリでの合格でしたので、自身の中でもびっくりしました。振り返ると勉強方法を絞ったのが良かったのではと思います。診断士試験は知識を広げようと思うと底なしに広げられると思うのですが、テキストと問題集に集中して行ったのが結果として良かったと思います。

――ある意味試験勉強と割り切り基礎的なことを中心に固めたということですかね?

おっしゃる通りです。

2次試験初年度は惨敗

――2次試験はどのように勉強しましたか?

1回目と2回目で変化がありまして、1回目は資格学校の2次試験用のオンラインで視聴できる講座を取りました。それを受講するのと「ふぞろいな合格答案(同友館)」と「中小企業診断士2次試験合格者の頭の中にあった全知識(同友館)」と過去問。資格学校の講座を受講することと、過去問をしらみつぶしにやっていくという、ある種目的とゴールの無い勉強をひたすら行っていました。1回目の2次試験は191点と全くダメでした。

――情報収集はどのように行いましたか?

会社にも特に言わず一人で勉強を始めたので、インターネットを活用し自分で情報収集を行い、合格した人のブログなどを参考にしました。

過去問20年分の事例研究という暴挙

――2次試験の勉強の中でこれが良かったと思うことはありますか?

2次試験1回目の勉強法ではダメだったため、2回目の2次試験は徹底的に過去問をやることに絞りました。2次試験は2001年から現在の試験形式が続いているため、直前期までの全事例を資格学校2校と「ふぞろいな合格答案(同友館)」の3パターンの模範解答を集められるだけそろえました。事例の与件文を20分かけて読んで、自分で解答せずにこの与件文はこのような話だなとインプットして、各模範解答を見て80分でできそうだなという自分の中の模範解答をそれぞれ作っていきました。その後、各設問で何を聞かれているかを書き記していきました。これを定量的な解答のある事例Ⅳは除いて、事例Ⅰ〜Ⅲを2001年から直近の2020年まですべて行いました。

――過去問を徹底的にやったとうかがいましたが、ただひたすら解くのではなく過去問の事例の分析を行ったということでしょうか?

まさにそうですね。設問で問われていることの種類やどう答えるのが適切かということが1回目はわかっていませんでした。それを知識として体に入れました。2回目は時間もそれなりにあったため2001年からすべて行うという暴挙に出ました。
1次試験を合格して3ヶ月間しかない方にはおすすめしませんが、初年度不合格となり1年間時間をかけるのであれば一つのやり方として参考にしてください。ポイントは80分間かけないことです。与件文と設問を20分見たらいきなり解答を見る。そこから自分の80分で書ける解答を作るのであれば、1事例1時間程度でできるため、そこまで負荷無く勉強を続けられます。




佐藤 克哉

佐藤 克哉 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1993年生まれ。岡山県出身。大学卒業後、金融機関に入社し主に法人営業に従事。経営者相手に営業を行う中で経営の知識を網羅的に学ぶため中小企業診断士を目指し2021年度中小企業診断士試験に合格。2023年4月に中小企業診断士登録。現在はファイナンス関連のコンサルティング業務に従事し、企業内診断士として活動中。

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