【奥村直樹さんインタビュー】 中小企業診断士に求められること

【奥村直樹さんインタビュー】 中小企業診断士に求められること

【第1回 産業振興財団の役割と中小企業診断士】

【奥村直樹さんインタビュー】

公的機関にご勤務の奥村先生に,中小企業診断士に求められることをお聞きする3回連続の特集。
第1回目の今回は,ご勤務先の産業振興財団の役割と中小企業診断士としての仕事についてお聞きしました。

ご勤務先の公的機関と中小企業診断士を目指すきっかけ

――ご勤務先の湘南産業振興財団について教えてください。

端的に言いますと,行政が企業をサポートするための政策実行を行う団体です。設立当初は,藤沢市のみで活動していましたが,今では事業内容に応じて茅ヶ崎市,寒川町,鎌倉市に拡大し,地域中小企業のサポートを行っています。

――一般的によく聞きます商工会・商工会議所との違いは何ですか。

各地域に○○産業振興財団の様な団体がありますが,それぞれ特色があって,昔から地域にある商工会・商工会議所との役割分担も様々です。湘南産業振興財団では,主に創業に特化した支援を行っているという特徴がありますが,商工会議所でも創業支援はやっていますし,互いに切磋琢磨して中小企業を盛り上げていける関係であればよいなと思っています。

――公的機関にご勤務で中小企業診断士を目指された理由を教えてください。

元々は,地域中小企業向けの福利厚生制度の導入を支援する事業を担当していました。当時から企業経営をサポートする部署への異動を希望しており,来所される素晴らしい中小企業診断士の先生の背中をみて,中小企業診断士になれば,希望が叶うのではないかと思い,中小企業診断士を目指しました。現在は念願が叶って企業経営をサポートする部署に異動しています。

現在のお仕事の具体的な内容

――見事,中小企業診断士となられてご希望の仕事に就かれた今の業務内容を教えてください。

現在,企業経営のサポート事業を担当しています。その概要は,1.インキュベートルームの運営,2.地域の企業をご訪問してヒアリングを行ってレポートを纏める景気動向調査,3.創業希望者を増やすイベントの開催になります。

――それぞれの業務の特徴について教えてください。

1.インキュベートルームの運営は,創業期の企業の場所貸しと経営相談による事業成長のサポートを行っています。2.ヒアリングレポートは,地域の企業の約90社に直接ヒアリングして景気動向のレポートを作成し,行政に提出します。レポートは,自治体が推進する企業向け支援政策の基礎的資料となります。3.イベントの開催は,近年の中小企業白書にも取り上げられているように、日本全体の課題となっている創業者を増やすことを目的とするイベント,ビジネスコンテストなどを開催しています。

中小企業診断士と接点のある事業とは

――中小企業診断士の先生ともっとも接点がある事業は何ですか。

一番接点が強い事業は,ビジネスコンテストです。起業を目指す方のビジネスプランを中小企業診断士の先生にブラッシュアップしていただいています。また,起業を目指す方が行うプレゼンテーションの指導も依頼しています。

――こうした事業を通じて,中小企業診断士に必要と感じる能力は何ですか。

プレゼンテーション能力,コミュニケーション能力,専門性と感じています…

次回は,中小企業診断士に必要とされている能力について,具体的にお聞きします。

南多聞

南多聞 取材の匠メンバー,中小企業診断士

専修大学法学部卒業の中小企業診断士,大手リース会社に長年奉職。企業審査,新規事業開発部門を経て現在は,事業企画や経理業務に従事。中小企業診断士の某受験校の講師も務めるパラレルワーカー。専門領域は,企業分析,ビジネスモデル研究,競馬予想と研究(勝ち馬投票券はほとんど買わない)。

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