【前田浩光さんインタビュー】養成課程で得られた「贅沢」なこと

【前田浩光さんインタビュー】養成課程で得られた「贅沢」なこと

【第1回 中小企業診断士へのスタート】

前田さんは、公益財団法人日本生産性本部経営コンサルタント養成講座中小企業診断士コースを2023年3月に終了し、5月に登録資格をしている。

現在は独立中小企業診断士として活躍中だ。一般社団法人神奈川県中小企業診断協会と一般社団法人神奈川中小企業診断士会に所属し活躍の場を着々と広げている。2023年に神奈川県中小企業診断協会へ入会すると理論政策更新研修の運営委員を務め、2024年には理論政策更新研修担当の執行役員に就いていた。一方、神奈川県中小企業診断士会では補助金申請支援や専門家派遣等の公募に積極的に手をあげ、実績作りに余念がない。         

中小企業診断士を目指して

 「OECD加盟国の中で日本の労働生産性が低いのはなぜだろう。日本人が劣るということではないはず。ものすごく疑問に感じました。でもその時は『自分ごと』にはなっていなかったのです」

 日本の労働生産性が低いことに疑問を感じながらも傍観者だった前田さん。転機は、意外なところからやってきた。50歳代の後半になって、自分自身の定年後を考えるようになった時だ。

「今は変わってきているかもしれないですが、当時はシニアの力が十分に活かされているとは言えない状況でした。再雇用の道を自ら閉ざして退路を立った時、主宰していた品質向上プロジェクトで、メンバーが変容する姿に感動している自分に驚きました。『見つけた!』そう思いました」

「自分一人の力は微々たる力かもしれない。だけど、傍観者でいるより、自分ができることから始めるべきではないか。人が変容することにかけてみよう」

経営のしくみに興味があり、経営理論や戦略論などを独学で学んでいた前田さんは、中小企業診断士という資格を以前から知っていた。

「いろいろなことが積み重なって中小企業診断士という選択肢が自分のものとなりました。あの時、退路を断たなければ中小企業診断士にはなっていなかったと思います。こんなところにも人生の綾を感じます」

こうして前田さんの中小企業診断士への道が始まった。

まずは1次試験を突破する

前田さんの1次試験の勉強法は妥協のないものである。

ご承知の通り、1次試験はマークシート形式で、解答は4つほどの選択肢の中から正誤を選択する。前田さんが1次試験の勉強法で最終的に採り入れたのは、ブログで見つけた選択肢すべての「○」と「×」を答えられるようになるまで繰り返す方法だった。多くの読者が、正解である可能性の低い選択肢から順に削除してゆき、残ったものを正解とする方法を採っているのではないか。前田さんが採用した方法は、選択肢すべての正誤と誤りの理由を答えられるようにする点が異なっている。

過去問の全選択肢の正誤と誤りの理由まで答える勉強法は、一見効率が悪いように考えられるが、実は逆だ。1問で数倍の知識が身につき、繰り返し解いても、パターン認識に陥り難いというメリットがある。  前田さんはこうして1次試験を突破した。








上塘 裕三

上塘 裕三 取材の匠メンバー、中小企業診断士
名字の読みは「かみとも」。鹿児島市出身。横浜市在住。大分大学経済学部経営学科卒業。2024年2月中小企業診断士登録。神奈川県中小企業診断協会に所属。大学卒業後、法人営業に35年間従事。現在は企業内診断士であるが、近い将来、独立診断士として活躍できるようスキルアップ中。趣味はGOLF練習場通い(コースは年3回程度)、日本史の本・TVの読書、視聴(大河ドラマは欠かさず見る)、色々なスポーツの日本代表を応援すること。

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