【第3回 遠回りした分、走り続ける】
過去の記事:第1回、第2回

知人から刺激を受けて、中小企業診断士の勉強を始めた中島正浩さん。6年間の受験生活を仲間の支えで乗り越え、念願の試験に合格。2022年に中小企業診断士登録を行い、現在は企業内診断士として積極的に様々な活動を行っている。最終回は、試験合格後から現在までの中小企業診断士としての活動および今後の活動予定に迫る。
試験合格後のアグレッシブな活動
中島さんは試験合格後、東京と愛知で実務補修を受けた。その後、知り合いの会社で実務従事を行った。登録に必要なポイントを取得し、中小企業診断士の登録を行った。
登録後も会社勤めをしながら、企業内診断士として活動している。副業・執筆・研究会での活動である。副業は、商工会議所経由で専門家派遣として、企業が抱える問題に対して助言し、問題解決を図っている。執筆は「ふぞろいな合格答案(同友館)」の編集や専門誌「企業診断(同友館)」の連載である「ふぞろい流合格ゼミ(同友館)」への掲載などの活動を行っている。研究会は長野県中小企業診断士協会の研究会に5つ参加している(DX研究会、農・食・観ビジネス研究会etc)。
中島さんは、中小企業診断士以外の活動にも積極的だ。中小企業診断士試験と親和性の高いITストラテジストの試験勉強を行った。難易度が高い試験であるが昨年、見事ストレート合格。今年は、ITコーディネータ資格取得にも挑戦する予定だ。
このように様々な活動を積極的に行っているのは理由がある。
「自分の適性を知りたい。自分が何に向いているのか確かめたい。核となるスキルにITがある。まだ他にも自分の特性があるかもしれない」
今後も続くアグレッシブな活動
中島さんは前述のとおり、研究会への参加、資格試験取得など勉強熱心だ。これらをインプットと考えると、今後はアウトプットに力を入れたい。研究会等で学んだ知識を活かして、アウトプットしたい。アウトプットすることで、自分の身につくことがあるはずである。また、足りていない知識や経験があることに気づくはずである。それに気づけば、インプットの機会になる。
「試験合格までに6年かかった。少しでも早く取り戻したい。寄り道した分、最短距離で進んでいきたい。積極的に様々な活動に手を出していきたい」
これからもアグレッシブに走り続ける。
家庭サービスとの両立
中島さんは6年間の受験生活、そしてその後の活動と、忙しい日々を送っている。
「受験勉強中は、家族との時間よりも勉強を優先させてもらった。家族との時間も大切にしていた。だが、結果的に合格まで6年かかり、勉強を優先する形となってしまったことは、今でも悔いが残る。合格後も協会の活動は土日中心だ。すべて家族優先というわけにはいかない。しかし、なるべく家族との時間を確保している。子供達が寝た後や、子供達が起きてくる前にできることはある」。
今まで投資した分を恩返しするような気持ちで、中島さんは、中小企業診断士の活動も家族サービスも頑張っていく。
中小企業診断士を目指す受験生へ
中島さんから、中小企業診断士を目指す受験生へ送る言葉は2つある。
1つ目は『あきらめないこと』。
「あきらめない気持ちがあれば、勝ち取れる資格である。何度、不合格になっても、あきらめない。壁を乗り越える力は、自分の中にある。あきらめずにチャレンジして欲しい」。
2つ目は『仲間をつくること』。
「一緒に励ましあえる仲間をみつける。1人での戦いは厳しい。仲間の支えは大きい。お互いにとってプラスとなる仲間を見つけていただきたい」。
「合格まで6年かかってしまったけれど、合格後1年間活動してみて、これまで抱えていたモヤモヤは晴れたかなと。それだけの価値はある資格だと思っています」

百田 行輝 取材の匠メンバー、中小企業診断士・ITコーディネータ
1976年生まれ、福岡県出身、福岡県在中。大学でプログラミングを学び、大学卒業後、IT企業に入社。システムエンジニアとしてシステム開発に従事。その後、事業会社2社(小売業「通信販売」、製造業)で、社内SEとしてシステムの開発・導入に従事。システムエンジニア歴25年以上の経験を活かし、DX推進にも貢献。2020年中小企業診断士登録。2024年ITコーディネータ登録。福岡県中小企業診断士協会所属。