【第2回 中小企業診断士×海外支援業務】
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2013年に中小企業診断士を取得。2014年、転職を機に海外支援業務へ踏み出した田淵秀樹さん。これまで支援した地域はアジアから、遠くアフリカ大陸に至る。第2回では、中小企業診断士を取得したきっかけと、資格取得のメリットについてお聞きしました。
現状維持への危機感から
――中小企業診断士を取得したきっかけを教えて下さい。
中小企業診断士一次試験の7科目中、3科目は仕事の経験と重なる部分があって、「いけるかな」というのが受験した直接のきっかけです。前職では、技術畑が長かった事もあって、生産管理・品質管理面の経験は積んでいました。また、ドイツに出向していた際には経理の経験も積むことができました。さらに情報システム系の資格も取得していたので、それなりに知識も持っていました。
資格取得の目的は、当時勤めていた会社に対して、自分の力をわかりやすく示すことが出来ると考えたからでした。
――2014年診断士登録と同時に、転職して海外支援業務に踏み出しましたね。
前職の職場では10年おきに危機の波が押し寄せていました。それまで2回危機に遭遇した際は何とか乗り越えたんですが、「次来たら…」という危機感があって、元気なうちにちょっと違うことをやっておいた方がよいと思うようになりましたね。在職中に色々と次の仕事を探していた時、『英語堪能な方』、『海外での実務経験者』、『中小企業診断士歓迎』という条件の募集が目に留まり、「まさにこれだ」と思いました。それが、現職の海外支援業務へと繋がったわけです。
――募集条件に合致していたとは言え、転職さらに海外の業務へ不安はありませんでしたか。
もちろん不安はありましたよ。特に妻が抵抗するわけですよ、「そこに留まっていれば何とかなる」ってね。
でも、私はそこに留まっている方がリスクが大きいと感じていました。ですので、「自分も不安なんだけど大丈夫」と言い聞かせて家族を説得し、一歩前に踏み出そうと決意しました。
海外の業務でも、活きる中小企業診断士
――中小企業診断士受験のために学んだことや資格が活きていると感じることはありますか。
現地でカイゼントレーナーを育てるため座学と実地で研修を行っていますが、特に座学の研修プログラムを作成する時や研修で説明する際に、体系立てて考えたり話したりする事が出来るようになったと思います。そこは中小企業診断士の受験勉強が活かされていると感じますね。また、私のように海外で現地カイゼントレーナーを育成するような仕事は、JICAから案件を受注するのですが、行政機関へ応募する際にも、中小企業診断士の資格は一つのアドバンテージにもなっています。
前職の経験を強みのベースに、中小企業診断士の資格を保有していることで、海外業務の受託の可能性が広がったように感じます。
神屋 裕司 取材の匠メンバー、中小企業診断士