【仲光和之さんインタビュー】 経営者とともに会社のビジョンを明確化する

【仲光和之さんインタビュー】 経営者とともに会社のビジョンを明確化する

【第2回 会場の空気を作り,社長の夢を引き出す】
過去の記事:第1回

【仲光和之さんインタビュー】

中小企業診断士を取得後,2018年に独立・起業した仲光和之さん。株式会社ソウルスウェットカンパニーの代表として,会社の「ビジョン」と,それを実現するための「経営数字」を経営者と一緒に考えていくコンサルティングを行っています。第2回では中小企業診断士としての仕事の工夫と醍醐味について伺いました。

どんな人が来ても満足するセミナーを

――消費税の税率引上げがありました。引上げ前は対策セミナーでお忙しかったようですね。

本当に体がしんどかったですね。セミナーは全国でありましたので移動距離も長いですし,日帰りが多かったです。さらに,その合間でテキストを作ったり,話す内容を変えたり,アンケートや質問に返事したり,もちろんセミナー以外の仕事もありました。5月くらいから平日はほぼ毎日セミナーの仕事を頂いていたので,疲れがピークでした。

――セミナーで工夫されていることはありますか。

セミナーを受講することで,受講者の考えや行動が変わっていかないと意味が無いので,知識をインプットするだけでなく,受講者本人が気づきを得ることができるようなアウトプット,ワークを大切にしています。また当たり前のことですが,「話したいことを話す」のではなく「相手が聞きたいことを伝わる言葉で話す」ということです。ある一つのテーマについて話す場合,表現や使う単語を何種類か用意しておいて,受講者の反応を見ながら切り替えるなど,常に相手視点で考えるようにしています。

消費税セミナーはほぼ毎日やっていたので,すごく速いスピードでPDCAを回すことができました。毎日振り返って,次の日に違うことを試すことができます。同じ消費税がテーマのセミナーでも,内容や伝え方が同じセミナーはほぼないですね。今はどんな地域や年齢,バックボーンの人が来ても,「楽しかった,分かりやすかった」って言ってもらえる自信があります。最初はどよんとした空気の会場でも,徐々に相手の目の色が変わって,身を乗り出す感じになってきて,最後はお互い充実した表情で名刺交換,そういう空気を受講者と一緒に作れる瞬間が楽しいですね。

コンサルティングで思いを引き出す

――中小企業診断士として一番印象に残っているのはどんな仕事ですか。

一番印象深い仕事は,社長の思いをうまく引き出すことが出来たときのことです。ある会社の事業計画を作る中で,会社の理念や大事にしているものを聞き出すことがあったんです。そのとき,会話の流れとこちらからの質問が上手くハマって,社長の目の色が変わっていくのがわかったんですよ。目の前の仕事で手一杯だった社長が,明るい将来を思い描き,将来の夢を語り出したんです。その後のやり取りの中で,「今度また仲光さんが来るのが楽しみだよ」ってその社長に言ってもらえたのがすごく嬉しかったですね。改めて会社のビジョンや将来の方向性を言語化し,クリアにすることがすごく大切だと思いました。

野江 泰介

野江 泰介 取材の匠メンバー

北海道帯広市出身。大学卒業後,中小建設会社に入社。営業から設計,施工,検査までの業務を経験し,現在は主に施設管理支援の業務が中心。よりよい施設を作っていくためには技術だけでなく会社の経営理念に沿うことが大切と考えている。趣味はランニングと登山。一級建築士

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