【栗山敦さんインタビュー】独学合格の秘訣は「学びの面白さ」に気づけたこと

【栗山敦さんインタビュー】独学合格の秘訣は「学びの面白さ」に気づけたこと

【第3回 未知なる世界を知ってまた面白さに出会えた】
過去の記事:第1回第2回

【栗山敦さんインタビュー】

独学で中小企業診断士試験に合格した栗山さん。業務上必要に迫られたわけではない資格に対して、なぜ挑み、どのようにモチベーションを維持して努力を続けたのか。50代の挑戦に迫る。シリーズ最終回。

手応え通りの得点で無事合格

――午後の失敗とは事例Ⅲのことですか。

いえ、事例Ⅲは何とか乗り切ったという感覚だったのですが、事例Ⅳが難しくて撃沈したと感じました。「これは40点ないぞ」と。

――得点開示請求はされましたか。

はい。事例Ⅰが71点、事例Ⅱが81点、事例Ⅲが60点、事例Ⅳが50点でした。午前はよい感じで午後は失敗という手応え通りでしたが、撃沈と思った事例Ⅳで50点いただけたのが予想外でした。

合格後にも広がる、興味深い未知なる世界

――2次試験合格後の実務補習はいかがでしたか。

私は経営の勉強をしたいと思っていただけで、資格を取って「コンサルになるぞ」という思いはなく、試験に受かった後のビジョンはありませんでした。実務補習も「やらないと登録できないから」という感じで5日間コースを3回分申し込みました。1社目の5日間はよくわからずモヤモヤしましたが、2社目、3社目と進むうちに面白くなってきたのを覚えています。

――読者にも実務補習はオススメされますか。

実務補習は受けた方がよいと思います。社長さんとお話する機会はなかなかないので。そういう機会を得ることで、いろいろな気づきもあるのではと思います。

――資格取得後の状況はいかがですか。

当初は中小企業診断士資格と業務は直接関係がなかったのですが、勉強開始後に業務内容が少し変わり、重なる部分が増えました。設計データなどの知的財産情報ビジネスやその費用管理などの業務です。財務会計の知識も活かせるようになり、「学んだことが役に立つ」と実感している状況です。あとは、神奈川県中小企業診断協会に加入し、ある研究会に参加しました。そこに補助金申請用の事業計画書の書き手を募っている方が出席されていて。「やりたいです」と手をあげたら、事業再構築補助金を2件やらせていただくことになりました。

――補助金領域にご興味があったのですか。

会社で副業がOKになったので、何かできることがないかなと考え、一番ベーシックだと思った補助金をまず学んでみようと思ったのが理由です。

「独学」という突破の仕方について

――栗山さんが思うご自身の受験勉強の特徴は何でしょうか。

特別なことはしていません。ずっと独学で、興味本位でやっている感じでした。「ぼちぼちやっていこう」というだけですね。ただ、1次試験に一生懸命になりすぎて、1回目の2次試験の準備が間に合わなかったので、2次試験にももっと比重を置いていれば合格できたかもと思ったりはします。この辺りは作戦不足というか、反省点です。

――1次試験と2次試験の「合格の秘訣」を教えてください。

1次試験は「知識」と「問題練習」です。問題集をひたすらやること。2次試験は「キーワード」です。与件文と設問を読んだら、キーワードがきちんと頭に浮かぶようにすること。それをしっかりつないで設問に沿った文章にまとめる練習をすることだと思います。

――受験生の皆さんにも独学をすすめられますか。

いえ。私はお金をかけたくなかっただけなので(笑)。短期で合格したい方は予備校などに行かれるとよいかなと。自分に合った勉強方法を採用するのがよいと思います。

――最後に、栗山さんから応援メッセージをお願いします。

私は合格後に参加した受験支援団体「タキプロ」や実務補習を通じて、様々な異業種の方と出会い、今まで生きてきた領域と全然違う世界を知れたことがとても面白かったです。今勉強を頑張っている方にも、ぜひ合格してこの感覚を体験いただきたいなと思います。きっと世界が大きく開けるはずです。

小野 慎介

小野 慎介 取材の匠メンバー、中小企業診断士
株式会社シナリオメイク 代表取締役社長。1981年生まれ、大阪府出身。マザーズIPOや独立起業など多彩な経験を持つマーケターとして、現在は都内や川崎市の中小・ベンチャー企業向けに「勝ち筋」の発見や売上拡大支援を行っている。2022年、中小企業診断士登録。東京都中小企業診断士協会および神奈川県中小企業診断協会に所属。二児の父。

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