【第3回 地元宮崎の雇用環境改善を見据え、新たな一歩を踏み出す】
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2020年度に診断士試験合格を果たした境田美穂さん。最後となる第3回のインタビューでは、試験直前期の出来事や心境、そして今後の目標についてお聞きしました。
試験直前期のトラブルが、一転して好調のきっかけに
――受験勉強期間で記憶に残っていることはありますか?
2019年は円形脱毛症になってしまって、その治療をしながらの勉強でした。先生にはストレスと言われて、苦手だった情報システムの暗記が原因だったのかもしれません。さらに、2020年は2次筆記試験の3週間前に交通事故に遭ってむち打ちになり、自宅療養のため2週間勉強ができなくなってしまいました。この期間に最終調整をする予定だったので「終わった…」と思ったのですが、試験の1週間前に頭がすごくスッキリして。点滴で栄養が行き渡ったのかとても集中できて、その調子のまま試験当日を迎えることができました。
――大変な中での受験だったんですね。塞翁が馬というか、一度立ち止まって心身を休ませたのがよかったのかもしれません。試験当日はいかがでしたか?
座席が会場の一番前だったのですが、試験監督の先生が用紙を配る際にミスをして、二人で笑いあってしまうという出来事があって。思わず緊張がほぐれて、その時に「受かったな」と思いました。
――緊張が和らぐのは、本当に些細なことがきっかけだったりしますよね。合格発表の時はどのような心境でしたか?
職場で結果を見たんですが、まずは自分の番号を見つけてほっとしました。そしてよく見ると後ろの受験番号もずっと続いていて、私の列はみんな合格していたんです。あの試験監督の先生は福の神だな、と思いました。また、育児が一段落してから挑戦した資格試験だったので、第二の人生の扉を開ける鍵をもらった気がしてワクワクしたのを覚えています。
独占業務がないことを生かして、個々の企業・経営者に必要なサポートをしたい
――試験に合格した今思う、中小企業診断士の強みは何でしょう?
税理士との比較になってしまいますが、独占業務がないのが強みですね。税理士事務所での仕事は、やるべきことが具体的であるがゆえに、独占業務に追われて経営課題にまで手が回りませんでした。独占業務のない中小企業診断士の方が、個々の経営者が必要とするサポートに注力できると思います。
また、診断士資格は女性にとって武器になります。経営を語る場面では、女性が初対面で信頼されるのは難しいんです。私は背も低いので、「境田が担当です」と紹介されると、「大丈夫?」といった反応をされることが多くて。そんな先入観を解消できるツールだと感じています。
――今後の目標を教えてください。
私が住む宮崎県には小さな企業が多いので、そういった企業の経営者の力になりたいです。また、宮崎県は人材排出県と揶揄されることが多いので、そういうところを改善できるようなお手伝いをしたいと思ってます。今の会社には伝えているのですが、ゆくゆくは独立できるよう、コンサルティングの実務経験を積んでいきたいです。
――最後に、これから診断士試験に挑戦する人へのアドバイスをお願いします。
私は1次試験3回、2次試験2回と独学を続けましたが、勉強仲間がいない分、勉強方法で惑わされることはありませんでした。この試験は、独学でも十分に合格を狙えます。自分にあう勉強方法を見つけて、とことんやり切ってください。
加茂 智 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1987年生まれ、石川県出身。マーケティングリサーチ会社勤務。前職では広告企画・制作会社でマーケティングリサーチ業務とコピーライティング業務に従事。現在はマーケティングリサーチを本業とする傍ら、副業コピーライターとして活動中。2022年中小企業診断士登録。