【第3回 ひたすら過去問、自分のスタイルを確立】
過去の記事:第1回、第2回
システムインテグレーターとして情報・通信会社にお勤めの近藤将太郎さん。多忙な業務の傍ら、効率的な勉強で中小企業診断士に合格されました。その取り組みを3回シリーズでお届けします。第3回は、2次試験の学習方法と将来の方向性についてうかがいました。
頭の引き出しにある単語をコンパクトにつなぐ
――2次試験の勉強はいつ始めたのでしょうか?
1次試験に受かってからです。受かって初めて2次試験の問題を見たという感じです。
――学習スタイルとお使いになった教材を教えてください。
2次試験もテキストだけの独学です。「ふぞろいな合格答案(同友館)」(以下、ふぞろい)の最新2冊、それに「30日完成!事例Ⅳ合格点突破 計算問題集(同友館)」をひたすらやっていました。
――どのようなことに気をつけて勉強していましたか?
「ふぞろい」を見ていて癖や特徴のある文章はよくないんだなと気づきました。そこで、あまり自分の色を出さないようにしました。必要だと思われる単語を抜き出して、接続詞をできるだけ減らしてコンパクトに、そして日本語としてキレイにつながるようにし、加点対象になりそうな単語をたくさん詰め込むように練習していました。
2次試験には1次試験のような難しい単語は出てこないので、よく出てくる単語が頭の引き出しの中にたくさんある状態にして、そこから取り出せるように心がけていました。
――2次試験は2カ月の勉強だけで受かったということですね、合格の秘訣はなんでしょう?
他のことに手を出さず、ひたすら過去問をやることだと思っています。1次試験に受かった時点で知識のベースはあって、足りないところは慣れだと思うんです。そう考えると、ひたすら過去問をやって、過去の傾向を知って、こうすれば取れるんだという自分なりのスタイルを確立させるところを2カ月間で集中してできたことが合格の秘訣なのかなと思っています。
幅広い知識をまんべんなく持つほうが受かる
――合格したときはどんなお気持ちでしたか?
実は合格発表の日にちを覚えていなくてネットの発表を見ていなかったので、郵送で知りました。もちろんうれしいのが一番強くて、次は驚きですよね、「あれ、受かったんだ」という感じ。次は、「口述対策どうしよう」でしたね。
――口述試験の準備はどうされたのですか?
筆記試験の合格を知ったのが口述試験の10日前だったので、タキプロや中小企業診断士試験一発合格道場などの口述対策講座はもうほとんど一杯になっていました。ただ、まだ残っていた中小企業政策研究会の対策講座に行くことができ、そこでようやくたぶん大丈夫だろうと自信を持つことができました。
――無事に乗り越えられた中小企業診断士の受験をひとことで言うとどんな言葉になりますか?
「広く浅く勉強」、一つのことを深く勉強するより、広い知識をまんべんなく持っているほうが受かるんだろうなと思います。受験勉強に対してもそういうスタンスで臨んでいました。
広い知見をもって地方創生に貢献したい
――中小企業診断士の資格を活かして、今後どのような活動をなさりたいですか?
私は生まれが静岡で大学が岡山なんです。そういうこともあり、「地方創生」というワードに興味があります。地方を作っているのは中小企業になることが多いので、中小企業を元気にすると地方も活性化していくだろうと思っています。そういった分野で活躍できたらいいなと思っています。
――ご専門のITと地方創生を絡めて活躍したいと?
それが一番いいと思いますが、ITも結局はツールなので、それだけではなく人事施策や運用の改善などマルチな形で支援できたらいいなと思っています。
私は性格的に、一つの分野に完全特化したスペシャリストというタイプではないと思っているので、広い知見をもって、何をすればよいかはじめの一歩を示せるような支援ができたらいいなと思っています。
――試験勉強といっしょですね、幅広く対応。
あはは、そうですね、たぶん合っているんでしょうね。
栗山 敦 取材の匠メンバー、中小企業診断士
兵庫県出身、神奈川県在住。大学卒業後、半導体メーカーに30年以上勤務し、LSI製品の設計開発に幅広く従事。現在はIPコア(設計データなどの知財商品)の事業企画と商品化業務を担当。2021年11月中小企業診断士登録、神奈川県中小企業診断協会会員。地元企業を支え、地域発展に貢献すべく活動中。