【石川直紀さんインタビュー】ゼロから独学でつかみ取った一発合格

【石川直紀さんインタビュー】ゼロから独学でつかみ取った一発合格

【第3回中小企業勤務を強みに】
過去の記事:第1回第2回

【石川直紀さんインタビュー】

診断士試験の受験生において、「何か得意分野の知識がもともとないと厳しいのかな、独学では無理なのかな」という不安は大きい。しかし、もともとの基礎知識がなく、かつ独学で、さらに小学生の子供が3人いるという状況でも見事に一発合格を勝ち取った受験生がいる。そんな状況を克服した合格者である石川直紀さんに話を聞きました。

衝撃だった実務補習

――完全に独学だったということは、他の受験生に初めて会ったのは実務補習ということになります。感想はいかがでしたか?

実務補習は本当に衝撃でした。みんな40歳の私より年下で、二十代の女性の方もいらっしゃったのですが、こんな優秀な人たちがいるのかと驚きました。なんでこの人たちはこんなにいろんな視点から意見がポンポン出てくるのだろう、という感じでした。

二日目ぐらいから中小企業診断士をやめようかな、と思うぐらいだったのですけれども、ただここでやめてしまったら受験する前に戻るだけですから、やるしかないというふうに開き直りました。

――実務補習の満足度はいかがでしたか?

班長に立候補して担当したのですが、自分の力不足を感じました。成果物全部を見た時に一貫性が足りない部分がでてしまったように思います。各メンバーのパートはしっかりできあがっているのですけど全体戦略が弱いという状況で、班長としてまとめあげることができませんでした。

実務補習を1回受けた後、実務従事を1回、さらに現在2回目の実務従事を進行中なのですが、最初の反省を踏まえて6人のチームで骨子がぶれないようにすることを心掛けています。

実務へのこだわり

――今後の活動の予定はありますか?

今はまだ実務がどのようなものかわかっていない状態なので、中小企業診断士向けのマスターコースに行きたいなと思っています。ある程度実務でしっかりやっている講師の方が一貫して自分のノウハウを提供してくれるようなものに参加していきたいと思います。

――ご家族は診断士活動をしていくことに賛成されていますか?

今はフルタイムの仕事をやりつつ時間外で診断士業務をやっていますから、家庭で過ごす時間が減ってしまいますので、多分不満はあると思います。それを解消していくには、ちゃんと活動で得た成果を見せられるようにすることが一番かなと思います。

今参加している実務従事は「もしその提案がよければお金を払うから、そのつもりでレベルの高い提案を目指してほしい」というふうに経営者の方に言われています。プロとしてお金がもらえるようなものを作っていきたいと思っています。

実務を意識されたいということですね。

そうです。私自身が中小企業に勤めていますので大企業がやっていることを真似したりテレビや雑誌にでてきた知識をそのまま自分の会社に適用したりしてもうまくいかないと考えています。ですから戦略だけじゃなくて具体的な戦術までということをポイントとして支援していきたいと考えています。中小企業に勤めているということが、時間が経ったら強みになるのかなと思います。

今の業務では、業務監査として各支店を訪問することがありますが、業務の観察だけが目的ではなくて日頃の不満や人間関係等、業務の課題だけではない業務以外のところでの課題も抽出する、そして実際のラインでうまく仕事ができるようにということを心がけています。

――最後に、受験生に伝えたいメッセージはありますか?

私は大学も出ていないですし、大企業で経験を積んできたわけでもないですが、きちんと努力をすれば結果がでる、正しいやり方で合格することができる、ということをお伝えできればと思います。


齊藤 慶太

齊藤 慶太 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1983年生まれ。東京都出身。ITコンサルタント、メーカー経営企画・海外拠点駐在を経て現在はIT企業で新規事業やM&A等を担当。2020年中小企業診断士・全国通訳案内士(英語)登録、同年米国公認会計士試験全科目合格。東京都中小企業診断士協会城東支部所属。趣味は将棋(三段)、旅行(旧ソビエト連邦・朝鮮民主主義人民共和国を含む30ヶ国以上を訪問)

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