【M.T.さんインタビュー】会社役員が中小企業診断士試験に合格後に見据える未来とは

【M.T.さんインタビュー】会社役員が中小企業診断士試験に合格後に見据える未来とは

【第3回 役員の経験を活かし「地元」に貢献する】
過去の記事:第1回第2回

【M.T.さんインタビュー】

会社役員として多忙な日々を送りながら、2020年度中小企業診断士試験にストレート合格されたM.T.さん。第3回は、合格後の活動や今後の展望についてお話をうかがいました。

資格取得がもたらした「多面的な視点」

――本業である監査役業務の中で経営の勉強をする必要を感じ、中小企業診断士を受験したとのことですが、実際に受験してみて、診断士試験で得た知識や考え方が本業に活かされていると感じますか。

本業を行う中で、診断士試験で得た知識や考え方が生かされていると日々感じています。稟議書を見て決裁の当否を判断するにしても、多面的な視点で決裁の内容やプロセスの適切さを判断することができるようになりました。
例えば、勤務先はサービス業なのでモノづくりを行う会社ではないのですが、生産管理の考え方をあてはめると見え方も変わってきます。診断士試験で得た知識を応用することで、視野が広がる楽しさを味わえています。

中小企業診断士としての現在地

――合格後、中小企業診断士としてはどのような活動をしていますか。

まず、合格後に実務補習を受け、実務補習で出会った仲間と、支援先を見つけて実務従事を行い、中小企業診断士の登録要件を満たしました。そこで、現在住んでいる神奈川県の中小企業診断士協会に加入する予定です。また、2022年の4月から「取材の学校」での活動に参加し、話す力、聴く力、書く力という診断士業務を行うにあたって基本的なスキルの獲得を目指しています。

――「取材の学校」に参加したきっかけを教えてください。

監査役の業務を行うにあたって、人の考えをいかに引き出すかというコミュニケーション能力は非常に重要です。聞き取りを通じ、役員や社員が抱える本質的な考えを引き出し解釈し、会社の脆弱性を明確にしていくことは、会社の経営を支える大きな役割だと考えています。
実際に講義を受けてみても本業に活かせる要素がたくさんあり、日々とても勉強になっています。お客様のニーズを聞き出し最適な提案をするという意味では、取材のスキルは営業のスキルとも通じる部分があると思っているので、営業部の社員にもこの講義を聴いてもらいたいと思うほどです。

会社役員としての経験を活かして神奈川県に貢献したい

――診断士協会に加入後、中小企業診断士としてどのような活動をしたいと考えていらっしゃいますか。

役員の職務は全うする責任があると思っているので、本業は続けるつもりです。そして、中小企業診断士としては神奈川県診断士協会に加入して、神奈川県に貢献できるような活動をしたいと思っています。神奈川県の診断士協会は公益事業に積極的であると聞いているので、どういうことでお手伝いができるかまでは未定ですが、様々な地域貢献ができればと考えています。

――神奈川県に愛着がおありなのですね。

はい。ただ、実は私は東京育ちでして、神奈川県に引っ越したのは10年ほど前のことです。ずっと東京で育ったこともあり、地域に友人がほとんどいなくなってしまったのですが、神奈川県の人はずっと県内に住んでいる人が多く、地元が好きなのだなと感じました。
そこで、私も地域のつながりをもって神奈川県のことを好きになりたいと感じるようになりました。例えば、横浜スタジアムに試合を見に行ったり、地元のゴルフ場でゴルフ仲間を作ったりして、徐々に地域に溶け込んでいます。そのような中で、神奈川県に愛着が沸くようになりました。

――5年後・10年後にこのような中小企業診断士になりたいというビジョンはありますか。

具体的なプランまでは明確ではありませんが、役員としての私の経験を活かして、日本の中小企業の役に立ちたいと思っています。30年の社会人経験を経て、小さな会社が生きていくのが難しいことであると身に染みて感じました。ただ、これから日本がよい国になるためには、中小企業の力は一番大切だと思っています。そこで、今後は、中小企業診断士としての活動を続けながら、私の経験を活かすことができる方法を模索したいと思っています。


D.S.

D.S. 取材の匠メンバー、中小企業診断士
東京都在住。2021年度中小企業診断士試験合格。都内の法律事務所にて弁護士として勤務。法律事務所にて、顧問業務・訴訟を中心に企業法務を幅広く経験。法務のみならずビジネスについても頼りにされる弁護士を目指し、診断士活動にも積極的に従事している。受験時には、1次試験を2回、2次試験を1回受験の末合格。

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