【玉川信さんインタビュー】7年間の挑戦、悔しさをバネにつかんだ試験合格

【玉川信さんインタビュー】7年間の挑戦、悔しさをバネにつかんだ試験合格

【第3回】地元埼玉県で小規模事業者の支援をしていきたい
過去の記事:第1回第2回

【玉川信さんインタビュー】

7年間の受験生活を経て診断士試験に合格され、今は一般社団法人埼玉県中小企業診断協会や中小企業政策研究会など複数の団体で精力的に活動している玉川信さん。経営者と中小企業診断士という2つの顔を持つ彼に、合格までの軌跡と今後の展望についてお話をうかがいました。
全3回シリーズの第3回は試験合格後の活動や受験生へのメッセージについてお届けします。

事業経営に役立つ診断士資格

――診断士試験の勉強は本業に活かされていますか。

会社経営に役立っていますね。当初の資格取得の目的だった「経営について網羅的に知る」ことは果たせていますし、財務会計の損益分岐点の考え方やキャッシュフローは実務でも活用できています。実は、中小企業政策の勉強でマル経融資の存在を知り、すぐに融資手続きをしました(笑)。こんなにいい制度があるのだと感激しましたね。

――経営者の立場からみて、中小企業診断士にどのようなことを期待しますか。

利用できる融資制度や財務の知識を知らない中小企業経営者は多くいます。こういった情報を積極的に提供して、必要な知識を与えるだけで経営が改善されることが多々あります。中小企業診断士は自分の専門領域になると難しい言葉を使いがちですが、伝わっていないことが多いです。相手と同じ目線に立ち、わかりやすい表現で知識を伝えることも大事ですね。

――合格後はどのような活動をされましたか。

一般社団法人埼玉県中小企業診断協会や中小企業政策研究会、受験生支援としてふぞろいな合格答案プロジェクトチームに参加させてもらいまして、診断士初年度はこの3つの団体を軸にして活動し、多くの仲間や友人に出会うことができました。ネットワークが広がり、様々なご紹介をいただき有意義で充実した一年間を過ごしました。

専門家ネットワークの活用による診断士連携

――今後の目標について教えてください。

いま私自身が小さな会社を経営していますので、地元の埼玉県で業種を限定せず、小規模事業者様を中心に支援していきたいです。小規模だからこそ出せる強みを引き出し、大きな企業とは違う戦略で勝負できるようにお手伝いをしたいと思います。数年間は様々な経験を積むために紹介された仕事は選ばずにやっていきたいと考えています。
中小企業診断士は複数の専門家でチームを組んで仕事ができるので、そこに面白さを感じています。自分の専門以外でも積極的に案件に携わり、多くの仲間、友人と連携して支援活動を行っていきたいと思います。

――最後に受験生へメッセージをお願いします

何度挑戦しても思うような結果が出ない多年度受験生は、年次を重ねるにつれ「どこが悪いのかわからない」、「何が正しいのかわからない」という負のスパイラルに陥りがちです。自分が向かっている道が本当に正しいのか、客観的に自分を見てくれる存在を作ってほしいと思います。自分の答案に対して他人から意見をもらうことで、視野が広がります。幸いにして今はオンラインで受験生同士の交流できる機会が豊富にありますので、受験仲間がいない方はぜひ一歩足を踏み出してみてはいかがでしょうか。

診断士試験は私にとって「人生で最大のチャレンジであり、人生を変えるレベルの大きな転機」でした。挑戦から想像以上のリターンを得ることができますので、ぜひ合格するまでチャレンジをやめずに、私のように人生が変わったと言えるような結果を迎えてほしいと思います。




林 栖

林 栖 取材の匠メンバー、中小企業診断士
中国海南省生まれ、10歳で日本に引っ越し、さいたま市で育った。茨城大学人文学部社会科卒業後、製薬会社で6年間営業を経験したあと、専門商社で3年間商品開発、海外企業開拓に従事。その後IT企業でWEBマーケ、広告営業、介護事業者向けの経営支援コンサルタントとして8年間活動後、2023年3月よりリン・コンサルティングを立ち上げ独立。趣味はハンドボールと家族旅行。2021年7月中小企業診断士登録、埼玉県中小企業診断協会所属。

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