【鈴木健一郎さんインタビュー】師匠の影響で進んだ養成課程。そこで得た経験と人脈を活かし更なるキャリアの磨き上げ

【鈴木健一郎さんインタビュー】師匠の影響で進んだ養成課程。そこで得た経験と人脈を活かし更なるキャリアの磨き上げ

【第2回 キャリアの分岐点となった養成課程での2年間】
過去の記事:第1回

総合デジタルサービス企業に勤務しながら、中小企業診断士登録養成課程(以下、養成課程)を修了し、2024年5月に中小企業診断士登録された鈴木健一郎さん。現在は企業内診断士として現職のキャリアアップにつながる活動を精力的に進めている。第2回では養成課程の具体的なカリキュラム、そこから得られたものについてうかがった。

生涯もっとも勉学に打ち込んだ養成課程

城西国際大学大学院(以下、JIU)の2年間カリキュラムは、平日夜間と土日に授業があり、授業の他にチームによる診断実習、加えてMBAに必要となる修士論文がある。その中で、特に印象深かったのが人材マネジメント論。「従業員アンケート内容と活用方法が圧巻だった」と鈴木さんは振り返った。例えば、アンケート結果で7割の人がフレックス勤務を望むなど従業員の生の声をダイレクトに社長へ伝えつつ、それら提案書としてまとめることで社長の行動変容を促す。これこそが実践コンサルの極みである。他にも経営戦略論、マーケティング論などケーススタディ中心の授業があった。

大量の与件文を読み込み、それら与件の問いに対するアウトプットを学生同士でディスカッション。それら内容を講師からのフィードバックにより理解をさらに深めていった。机上の学習では得られない主体的な学び「アクティブ・ラーニング」である。また、修士論文の執筆でも工夫した。「考察の組み立て方をe-learningで学習し、文章を音声で聞くことで推敲が楽になった」と当時の怒涛の忙しさを工夫して乗り切った場面が伝わってきた。同期の頑張りに自分も負けられないと、必死に勉学に打ち込んだ人生でもっともハードな2年間だった。

質・量ともに充実した診断実習

診断実習はJIUカリキュラム全体の約1/3を占める主要イベント。「1社1ヵ月に渡る診断実習を向こう2年間で5社経験できたことは、試験合格組の実務補習の1社5日間とは大きく異なり、経営全般において広く深く助言できる養成課程の醍醐味だった」と清々しい表情で語った。企業のあるべき姿を描き、それに向けた実行プランを指し示すため、班長を中心にチーム一丸(8名)となってまとめ上げる大変さを経験した。また、診断実習の流れとして、社長ヒアリングから始まり、幹部ヒアリング、企業調査(従業員アンケートなど)、中間報告会(提案の方向性の確認)、資料作成、最終報告会が概ねの流れである。鈴木さんは副班長を2回務めた。「その時の班運営サポートの苦労やそれを乗り越えた経験がいまの仕事にも大いに活かされている」そう言って、こちらをまっすぐに見つめた。一皮も二皮もむけて、自信に満ちあふれた表情がとても印象的だった。

年の差を超えた異業種の同期との成長の場

「自分の代はJIU12期で、上は58歳で下は20歳代、同期16名の平均年齢は概ね40歳前半くらいで、歴代のJIUの中でも比較的若いと思うんです」と嬉しそうに語る。世代を超えたつながり、互いに切磋琢磨し、高め合ってきた間柄が伝わってくる。「同期は、大手勤務が多く、大手通信会社や金融機関がいて、他にも養成課程在籍中に大手企業から中小企業基盤整備機構へ転職した人もいました」と彼も大手企業に勤務。共通的に抱える課題や悩みなどをシェアしながらともに乗り越えてきた2年間であった。養成課程では様々なバックグラウンドを持つ同期がいて、その会話に耳を傾け、一つひとつ吸収することが成長につながる。そして、会社でもない、家族でもない、異業種の濃密な人間関係は、そう簡単には作れない。また、そこに集まってくる同期も能力が高く意識が高い社会人学生。そんな仲間と日頃から熱い議論を交わすことで日々成長し続けてきたのだった。







秋田 謙作

秋田 謙作 取材の匠メンバー、中小企業診断士
東京都出身・東京都在住。2022年5月中小企業診断士登録。プロジェクトマネジメントプロフェッショナル(PMP)・ITコーディネータ(ITC)。大学卒業後、大手通信会社に約25年勤務。本業で培ったDX・組織人事などのスキルノウハウを活かし、診断士協会・実務補習の副指導員、東京都経営革新フォローアップ事業案件、葛飾区立の図書館にビジネスセミナー登壇などセカンドキャリアに向けて活動中。趣味はドライブ、テニス、ランニング。

拓け!中小企業診断士の扉~養成課程奮闘編~カテゴリの最新記事