【第2回 養成課程で人生初の経験】
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地方銀行に勤めながら中小企業診断士養成課程(以下、養成課程)を経て、登録から1年後に中小企業診断士として独立された菅原さん。第2回は、養成課程在学中の話をおうかがいしました。
養成課程に通う人たち
――養成課程にはどんな人がいましたか?
全部で16名いましたが、大手の企業でそれなりの地位がある人、ほかの資格を持っている人も多かったですね。そんなに変わったバックグラウンドの人はいなかったですが、商社の人とか、特許庁の人とか。あとは金融や保険関係の人とかですね。
年齢もばらばらで、50代、40代、30代が均等に同じ人数くらいいました。入学当初は20代の人が3名いましたが、卒業するまでの2年のうちに30代になってました。
――皆さんお仕事されながら通われていたんですか?
そうですね、全員平日は仕事をして土日に養成課程に通っていました。
――卒業後はみなさんどうされていますか?
独立したのは私も含めて、2人か3人ですね。ほとんどの人が、会社に戻って企業内診断士として活動されています。同じく独立した人たちとは、情報交換や仕事の融通などもしていますし、今後新たなシステムを開発しようか、など色々な話をしています。
養成課程の魅力
――養成課程の魅力を教えてください。
2次試験を合格されて中小企業診断士になられた方は、実務補習など受けられると思います。実務補習は1週間くらいでヒアリングから、診断結果報告まですると思うんですが、養成課程は1つの会社に対して3週間から、長くて1カ月半かけてじっくり取り組むことができるのが魅力の1つです。
――特に印象的な実習はありますか?
都内のIT企業の実習が印象的です。結構勢いのある、アプリ開発をしている会社でした。時代にマッチしたものを作っていく会社で、様々な横展開ができるので、様々な提案をすることができますし、やりがいもありました。
――2年間の学生生活はいかがでしたか?
大学を卒業してから30年経ってからまた大学に通ってみて、大学ってすごいなって思いました。これまで私は今まで社会の中であまり守られているって感覚はなく生きてきたんですけど、学生ってやっぱり守られているし、学ぶ環境としてはとても恵まれているなと思いました。
設備などはもちろんですが、養成課程の中では本当に様々な先生に指導してもらうことができます。
変わった個性の強い先生ももちろんいたんですが、楽しかったですし、いい経験ですね。
人生初めての経験
――養成課程でもっとも苦労されたことを教えてください。
東洋大学の魅力の1つとして、MBA資格が取得できます。ただ、通っているだけで取得できるわけではなく、論文を書く必要があるんですね。私は大学も法学部出身なので、学生時代にも論文を書いた経験がありませんでした。初めて書く論文についてはかなり苦労しました。
――具体的にはどのようなことに苦労されましたか?
あれだけの文章を1つ1つ筋道立てて書いて、結論まで導くという作業が本当に大変でした。書いている論文自体の最終結論の整合性が取れなくなったりしたので、これはなかなか厳しいなという感じがありましたね。
――論文はどれくらいの期間をかけて執筆するのですか?
基本的には2年間ゼミがありますので、2年間かけてやります。1年生の時は様々な勉強をしながら、何を書こうかなとテーマを探すような準備期間ですね。最終的に書きあげるのは2年生の1年間です。
木村桃子 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1994年生まれ。東京都在住。服飾系大学を卒業後、新卒でアパレル販売職や人材派遣会社を経て、マーケティングコンサル会社に転職し人事部採用担当に従事。合格後は資格予備校講師としても活動中。 趣味は美容。特技は事例Ⅰ(91点)。