【第2回 厳しい環境の中、異文化と触れ合う毎日】
過去の記事:第1回
豊富な実務経験を求めて養成課程の門を叩いたS.Sさん。第2回は、養成課程のカリキュラムと、スケジュールを調整して課題をこなすコツについてお話をうかがいました。
養成課程のカリキュラム
――養成課程のスケジュールについて教えてください。
スケジュールは基本的に丸2年で毎週授業があります。私は大学院に通い、経営学修士(MBA)とあわせて取得いたしました。
――どのようなカリキュラムなのでしょうか?
平日は2コマなので3時間です。土曜日の授業の場合は9:30~18:30くらいまであるので5コマですね。7時間半くらいかな。内容としては、中小企業庁の方で「登録養成課程を実施するためのカリキュラム等の標準モデル」というのがあって、その要件に沿った内容を学習します。経営戦略、マーケティング・営業、人材、財務・会計、生産、店舗施設、情報、コミュニケーション、診断実習が5社、最後に論文書いておしまいというイメージですね。
――座学+実務といったイメージでしょうか?
座学は、基本的にワークです。チームを作ってワークでアウトプットを出すというイメージだと考えていただければ。もちろん、講義等のインプット中心の座学もあるんですけど基本はワーク中心でした。
――ワークというのは各企業について考察する
おっしゃる通りです。様々な切り口の事例に対して、経営戦略、人材、財務等の観点から考察して、それをまとめて提出発表し、その提出物に対して点数が付きます。
――2次試験合格後の実務補修でいいますと、実際は週をまたいで10日間あります。その間補修日以外も集まったりするんですが、ワークはその日中に終わらせるイメージですか?
準備を含めると数日になりますね。報告書を提出するというゴールがあって、それに対してどういう風に情報を集めるかというところからまず始めます。各タームで決めるべきことがあり、それに対してリアクションを取っていきます。個人で話し合いができる準備をして、講義の時間内で話し合いをします。宿題があれば次の授業までに終わらせておく。その繰り返しです。個人でどうしてもわからない場合は、チームメンバーとメールでやり取りをしたりします。
どんな人が通っているの?
――何名くらい通われていたのでしょうか?
20名弱くらいだったと思います。
――どんな方が通われていましたか?
二通りあって、一つはバリバリ現役で企業に勤めながら通われている方、もう一つはリタイア間近で第二の人生のために来られている方です。
――どういった業種の方が来られていたんですか?
製造、販売、公務員もいました。あとは銀行員とか。千差万別でした。
――皆様はなぜ養成課程を選んだのかっていう理由を聞いたことはありますか?
皆さん1次試験の勉強を2年したくないとおっしゃっていましたね。
おいくらですか?
――私の知り合いの養成課程を選んだ方も時間をお金で買ったとおっしゃっていました。
そうですね。私も、1年間2次試験の勉強をするのと、同じ時間を使ってお金を払って違う経験をするのとどちらが効率的かっていう風に考えました。
――賢いですね~ 私はそこまで考えてなかったなあ。ちなみにいくらくらいするんですか?
2年間で200万円前後です。
落第の要件とは
――2020年度合格というと新型コロナウィルスが蔓延する前です。今みたいにオンライン授業や録画授業等がスタンダードになっていないと思われますが、例えば欠席したら録画受講等はできたのでしょうか?
録画受講はありませんでした。ほぼ全て出席しましたね。たしか、9割以上出席しないと落第なんですよ。
――厳しいですね~ 落第ですか。
要件を満たさないとそう判断されます。
――それだけは避けたいですね
そうですね。落第しないためにはどうするかってところから逆算してカリキュラムをこなしていました。そういう意味では実務と違ってすごくやりやすいと思います。実務は答えが無いですから、すごく難しいなと思います。
福岡 誠 取材の匠メンバー、中小企業診断士
愛媛県出身。総合通販企業でBtoB事業に携わる企業内診断士。2021年11月に中小企業診断士登録。2021年は受験生支援団体タキプロにて、セミナーの運営やブログ執筆を行う。地方創生☆政策アイデアコンテスト2021(地方創生担当大臣賞(日本一)受賞)趣味:キャンプ・登山・ジョギング。元芸人。元役者。元市役所職員。