【第3回 今後の展望と養成課程受験者へのメッセージ】
過去の記事:第1回、第2回

ソフトウェア開発のプロジェクトマネージャーとして働きながら、養成課程を卒業し、2024年に中小企業診断士として登録した清水一茂さん。第3回は、清水さんの今後の展望や養成課程受験者へのメッセージを語ってもらった。
未来に向かって:今後やりたいこと
「自分が応援したい企業や、成し遂げたい思いがある経営者、そんな人たちの道を切り開くお手伝いがしたい」と清水さんは熱く語る。
そのための準備は行っているという。勉強会に積極的に参加し、経営者の話を正確に聞き取るヒアリング力や、彼らを励ますコーチング力を磨いている。また、多くの中小企業が抱える売上向上の悩みを解決するために、デジタルマーケティングの知識も習得中である。具体的には、ウェブ解析士協会の資格を取得するための勉強をしている。
診断士登録後も、なりたい姿に向かって学び続ける清水さん。中小企業診断士になるきっかけとなったのは、ボランティアで企業支援を行っていた時に出会った憧れの中小企業診断士の存在であった。その方と同じような仕事ぶりを実現できていると感じることで、さらに自己研鑽に励むモチベーションを保っている。
現在、2社の顧問先があり、実際に提案・実行した部分で効果が現れているという。
「養成課程で学んだことを実際に実践し、喜んでくれる方々の存在を肌で感じられることが嬉しい」と話す清水さんは、その喜びを次なる原動力に変えている。
「現在の夢の達成度は100%ではなく、30-60%程度にとどまるかもしれないけれども、振り返りながら、以前より明日、という感じでやっていこうと思っています」と前向きな思いが伝わってくる。
養成課程受験者へのメッセージ
彼が養成課程に通って良かったと感じた点は、中小企業診断士としての考え方やフレームワークが自然と身につくこと、そしてアウトプットのスピードと質が向上することだ。中小企業診断士のスタートラインに立つ前に、繰り返しインプットとアウトプットを実践できる経験は、養成課程ならではの大きなメリットであると強調している。
また、仲間の存在も大きな励みとなったと清水さんは言う。同じ志を持つ仲間と共に学び、辛い時も支え合うことで乗り越えることができた。卒業後もその結束は固く、いつか一緒に仕事をしたいと語り合うこともあるそうである。
しかし、養成課程は決して楽な道のりではない。仕事をしながらも毎週末には講義があり、体力的にも厳しい。授業に慣れるまでの初期段階は特に厳しく、アウトプットの質を上げるためには相当の努力が求められる。
2年間に5回の実習もあり、企業へのヒアリングから提案書作成、報告までを一貫して行う機会も複数回ある。中小企業診断士としての力にはなるが、有給を取る必要もあり、仕事との両立はとても大変である。
また、受験そのものにも万全の準備が必要である。現在、東洋大学では倍率が5倍を超えており、簡単に入学できるわけではない。2次試験に合格しなかったからといって、安易に養成課程を選択しても成功しないと清水さんは強調する。
各学校にはMBAやITコーディネーターなどの取得可能な資格やカリキュラムが異なるため、自分が本当にやりたいことを意識して、どの学校が最適かをしっかり選ぶことが重要である。
「中小企業診断士としてどうありたいか、資格を取った後にどうしたいかをしっかりイメージして、苦しいことを乗り越えたらその先に待っている達成感を想像しながら前進してください」と、清水さんは受験者への熱いエールを送る。

長山 萌音 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1993年生まれ。神奈川県出身。東京都在住。IT企業にてサーバーエンジニアとして勤務した後、Webマーケティング会社にてWeb集客に従事。その後、デジタルマーケティングのコンサルタントを経て、2023年に勢いで独立。東京都中小企業診断士協会城東支部所属。趣味はディズニーのグッズを集めること。(推しは『ピノキオ』のフィガロ)