【第3回 養成課程の同期の「仲間」とチームプレーの大切さ】
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2022年に登録養成課程(以下、養成課程)を修了して中小企業診断士登録をし、2023年から独立開業をした上杉嘉邦さん。第3回では、養成課程の同期メンバーとの交流やチームプレーの大切さについて語ってもらった。
養成課程を通じて得た「仲間」
上杉さんが通っていた札幌商工会議所の養成課程は入学から修了までの期間が半年のコースだったため、演習や実習は日程的にかなりハードだった。カリキュラムは基本的には平日に入っていたが、時には土曜日にもあった。また、実習期間中は休日が潰れてしまったり徹夜での作業を強いられたりしたこともあった。しかし、そのようなハードな日程の心の辛さを支えてくれたのが、札幌商工会議所養成課程の同期のメンバーだった。
「今でも同期のメンバーとはつながっています。LINEグループを作っていて定期的に交流もあります。養成課程の事務局の方が退職された時に、なんか贈ろうと言ったら、8割くらいの方がそれに協力してくれました」
チームワークが固いからこそ、修了後も協力者が多い。修了したら我関せずではない。しかし、上杉さんは京都在住である。養成課程の修了のタイミングで北海道から京都に戻っている。同窓会やイベントがあるたびに北海道まで出向いているのか。
「いけたらいきますが、今はオンラインもありますからオンラインで参加しています。また、LINEなどで色々も話をしたり、特に大阪に住んでいる同期の方とはよく何かのイベントで一緒に参加したりしています」
上杉さんは関西で活動をしている。そして多くのコミュニティに参加しているため、特に関西の仲間とはかなりの頻度で会っていると言う。
チームプレーの大切さ
養成過程の同期の仲間との作業や交流を通して、上杉さんはチームプレーやチームでの作業の大切さを教わったと言う。
「養成課程はチームで動きチームで作り上げていきます。そこで個人プレーをして輪を乱してしまうとチームとして成り立たないですよね」
上杉さんが思うチームプレーに必要な要素は何なのか。
「それぞれが何をするかを明確にすることですね。自分は何をして良いかわからない状況は避け、チームの各メンバーに仕事を割り振る。もちろん平等に割り振るのは難しいですが、各メンバーが何らかの活躍をしていることが大事だと思います」
地域活性化を図りつつ積極性を活用する
上杉さんは今後中小企業診断士としてどう活動していこうと考えているのか。具体的なプランを尋ねた。
「地域活性化につなげられたらいいとは思っていますが、それをベースにしつつ、他の仕事や案件についても機会があれば積極的に手を上げていこうと思っています。そして、その中での自分の1つの武器として、取材や執筆ができればと思っています」
養成課程は抜け道ではない
「どうしても中小企業診断士になりたいという方や、中小企業診断士になった後にこういう活躍がしたいという強い思いのお持ちの方は養成課程をおすすめします。逆に『とりあえず中小企業診断士の資格を取れば何とかなるだろう』という思いの方には養成課程は向かないと思います」
養成課程は決して「中小企業診断士になれることが確約された抜け道」ではない。成績次第では途中退学もあるし、中小企業診断士取得後の明確なビジョンも必要だと言う。時々交じる関西弁の柔らかい口調の中、中小企業診断士は取ってしまえば後は何とかなるほど甘いものではないことを強調していた。

水村 聡 取材の匠メンバー、中小企業診断士
千葉県出身、京都府在住。関西大学会計専門職大学院を修了。現在は税理士事務所にて主に小規模企業向けコンサルティングを担当。2023年度中小企業診断士試験合格、2024年9月中小企業診断士登録。2024年度一発合格道場・タキプロ(共に15期)にて「サトシ」というハンドルネームで活動し、ブログ執筆や動画出演を担当。