【高橋良介さんインタビュー】中小企業診断士×キャリアコンサルタントでさらなる高みへ

【高橋良介さんインタビュー】中小企業診断士×キャリアコンサルタントでさらなる高みへ

【第3回 想いを引き出し伴走支援】
過去の記事:第1回第2回

【高橋良介さんインタビュー】

鉄鋼商社で海外向け船積み手配に携わりながら、東洋大学大学院の中小企業診断士登録養成コースを修了し、2022年に中小企業診断士登録された高橋良介さん。最終回の第3回は、養成課程を目指す方々への助言やこれからの診断士活動をうかがいます。

人に貢献、クラスに貢献

――これから養成課程に進もうと考えている方に対して、こういう人は向いてない、あるいは養成課程を選んだ方がいい、というのはありますか。

向いていない人を考える方が楽な気がします。独学でできる、人とやるよりは全部自分でやる、という人は2次試験がいいかもしれないですね。養成課程は発言の内容で周りに気づきを与える、少し違う視点でものを言う、というようにクラスをみんなで作り上げていくイメージがあります。人に貢献する、クラスに貢献するというところです。たとえば、異なる意見AとBがあって、それらを統合してCにしよう、そういう考え方をできる人が養成課程に向いているのかなと思います。

――養成課程を具体的に検討されている方に対して、ここは注意した方がいいという点はありますか。

養成課程それぞれに特色がありますので、自身に合ったところを選ぶことでしょうね。よく調べたうえで、ライフスタイルや仕事の環境と照らしていただくとよいと思います。修了年数や雰囲気だけで選ばずに、実際に足を運んで話を聞いてみてください。半年間や1年間で一気に資格を取りたい方や、思い切って仕事を辞めてじっくり学びたい方など、事情は人それぞれだと思いますので。

それと、面接の時に会社、健康、お金の「3K」は大丈夫ですかと念を押されました。1つ目は会社の了解を取っているかどうか。2つ目は健康に不安がないかどうか。3つ目は学費を払えるかどうか。私も上司に了承を得たうえで通いました。

傾聴スキルに磨きをかける

――中小企業診断士となられてお仕事で変化はありますか。

現在の仕事で直接的に中小企業診断士のスキルを使っているわけではありませんので、正直あまり変化はないです。しかし、1つ1つの動作には出ていると思います。例えば、相手がどういう立場の人でどういう情報を求めているのか、というのは強く意識して先回りして動くようになりました。養成課程を修了してから、人に貢献する、積極的に手をあげる、挑戦する、といった意識の変化もありました。

――中小企業診断士としてどのような活動をされていますか。

実際に資格を取得できる2022年の4月になって、急にどうすればいいんだろうとなりました。以前は診断士資格を取ることが目的でしたが、持っているだけでは駄目だなという気持ちになって、2023年になってから協会や研究会の活動に出るようになりました。中小企業診断士として一人前になれるように個人の力を伸ばしていきたいと考えています。仕事にやりがいはありますが、現状のままではまずいという危機感は常に持っています。自分の幅を広げられるよう、できる範囲内でキャリア開発を継続していきたいです。

――診断士資格を取得後、キャリアコンサルタントの資格も取得されました。

キャリアコンサルタントでは、言葉の選び方や質問の仕方でクライアントの想いを引き出すことが求められます。経営者の中に答えはあると言われているように、中小企業診断士もいかに伴走的に支援をして企業自身の内在的な力に気づいていただく能力が求められると思います。教えるわけではない、というところが似ていて、両方の資格を融合できると考えています。

養成課程の先にある景色

――養成課程を検討されていて、あと一歩を踏み出せないでいる方へメッセージをお願いします。

最初は大変だと思います。通いの部分で体が慣れるのに時間かかるかもしれないですし、家族との、もしくは仕事との調整で精神的な負担があるかもしれません。最初の2、3ヶ月をしっかり乗り切っていけば身のある学びができますし、何より同期や先生たちとの出会いというのは本当にプライスレスです。ぜひ1つの選択肢として検討していただければと思います。




石川 慶成

石川 慶成 取材の匠メンバー、中小企業診断士
東京都在住。金属加工会社に勤務。技術営業、工程設計、購買、生産管理、加工、検査測定、品質保証に従事。品質管理責任者として工場内の統括にあたる。専門分野はISO9001。小さなカイゼンで日本のものづくりを末端から支える。2022年11月中小企業診断士登録。東京都中小企業診断士協会城東支部所属。

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