【住山さんインタビュー】中小企業診断士として必要な実践力を養うため、養成課程を選択する。

【住山さんインタビュー】中小企業診断士として必要な実践力を養うため、養成課程を選択する。

【第3回 養成課程で得たもの】
過去の記事:第1回第2回

【住山さんインタビュー】

大手ドラッグストアに勤務しながら、2023年3月に中小企業診断士登録養成課程を修了した住山鉄治さん。診断士資格チャレンジから今までの軌跡を養成課程のエピソードとともに紹介します。第3回は、養成課程で養った実践力や気持ちの変化、受験生へのメッセージについてうかがいました。

綿密な事前準備、情熱が社長の心を動かす。

――密度の濃い実習ですね。その中で印象に残っている経営者の方はいますか?

3回目の実習でご縁があった社長さんが印象に残っています。その社長さんは、「自分は経営のプロだ」と自認し、経営書を何冊も読み込む勉強家で、コンサルタントに懐疑的な考えを口にする方でした。事前に講師の先生からも「なかなか手強いよ」と聞いていました。私の診断パートは財務担当だったのですが、社長さんのSNSを最初の投稿まで遡って、すべて読み込み、ヒアリングに臨みました。これまでの発信内容や共感する部分などを交えてアプローチすると、予想以上に反応の変化があり、「そこまで調べてくれているの」とおっしゃり、徐々に心を許してくださいました。おかげで、診断も戦略提案もスムーズに進み、高い評価を頂けました。これがきっかけで、自信がつきましたし、自分の中で何かが変わった瞬間でした。

――経営者の方の信頼を得たわけですね。講師の先生はどのような方々でしょうか? また、印象に残っている指導はありますか?

講師の先生は、大学教授の方や独立して一線で活躍している中小企業診断士の方まで、非常に個性的です。2回目の講師の指導が強く印象に残っています。私がとある従業員へのヒアリング中に、その方が沈黙になったことがありました。私は、その時「沈黙はまずいな」と思い言葉をつなぎました。その後、講師から「あの場面、彼は何らかの考えを発言しようとしていた。あなたの一言がそれを台無しにした。」と指導を受けました。「相手にバトンを渡すべきじゃないか」という話を聞いたとき、洞察力の大切さを感じました。その感覚が今でも残っています。

養成課程で得た財産。

――充実した「演習」や「実習」の仲間や講師の方との関係性を教えてください。

養成課程の仲間同士は今でもやり取りがありますし、定期的に実習グループ単位での飲み会もあります。やっぱり、演習や実習で密度の濃い時間を一緒に過ごしたのが大きな財産で、学生時代を思い出す感覚です。同期は所属する業界も様々なので、いろいろな業界や考え方に触れることもできたことは、大きな経験だと思います。講師の先生も、多方面で活躍されている方なので、診断士関連のセミナーなどで登壇されている時に、お顔を拝見すると、授業で講義を受けている錯覚に陥ります。卒業生を中心としたOB会もあり、講師の先生も卒業生の方が多いので、養成課程を軸にしたつながりは強いと思います。

養成課程を検討されている方へのメッセージ。

――養成課程に向いている人は、どのようなタイプの方ですか?

やる気があれば、なんとかなるのかなと思いますが、一番大切な要素は「協調性」です。養成課程の事務局の方が、最初のセミナーで「協調性のない方は応募しないでください」とはっきりと、明言していました。特に、実習は密度が濃いので協調性がないと苦労すると思います。

――養成課程に進学するか、2次試験を受けるか迷っている方に一言。

養成課程も2次試験も、中小企業診断士になるための道筋のひとつに過ぎません。大切なのは自分が「中小企業診断士を通じて何をやりたいか」という意志の強さだと思います。養成課程は、手段の一つとして損はないと思いますが、お金のことや時間のことがあります。私もそうでしたが、その調整は何とかなるし、結局、やる気があればなんとかなると思います。興味があれば、飛び込んでみて、ご自身の目で確かめてみるのも損はないと思います。

――最後に、中小企業診断士になってよかったですか?

よかったですね。やっぱり考え方や物の見方が、過去に比べて多面的で論理的な思考になった。グッと変った感覚があります。今も現在進行形ですが、確実に変わっていると思います。また、養成課程を通じて得た「仲間」や「先生」の人脈できたことも、大きな財産になっています。




喜多 佐智浩

喜多 佐智浩 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1973年生まれ。愛知県名古屋市在住。大学卒業後、広告会社へ入社。広告企画の法人営業を中心に官民連携事業[PPP(Public Private Partnership)]による広告媒体開発に従事。新規事業開発/媒体開発/営業所開設/人材・組織開発など幅広く経験。2021年度中小企業診断士試験合格、2022年5月に中小企業診断士登録。受験生支援団体タキプロ(勉強会班)にて活動。求められる中小企業診断士になるために、日々奮闘中。趣味:キャンプ&たき火、ウクレレ、子供たちのサッカー観戦。

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