【奥村直樹さんインタビュー】 中小企業診断士に求められること

【奥村直樹さんインタビュー】 中小企業診断士に求められること

【第3回 資格取得によって得られた羅針盤】
過去の記事:第1回第2回

【奥村 直樹さんインタビュー】

公的機関にご勤務の奥村先生に,中小企業診断士に求められることをお聞きする3回連続の特集。

第3回目の今回は,奥村先生の今後のビジョンについてお伺いしました。

中小企業診断士の学習をして得たこと

――中小企業診断士を取得してよかった点は何ですか。

創業者の方,同僚,中小企業診断士の先生との会話の内容やその真意が分かるようになったことです。従来は仕事の本質が見えていませんでした。仕事で飛び交う言葉を表面で追うことに終始していました。現在は,自分の仕事に戦略性があるか,理に適っているかを判断できていると感じています。

――それは1次試験の勉強によるものですね。

そうです。中小企業診断士の1次試験の勉強を通じて学習した理論によって,実際の業務の理解とその本質を把握できるようになりました。日々の業務上の会話等に1次試験の理論・知識が頻繁に出てくるので中小企業診断士の学習はとても楽しかったです。

――2次試験の学習による効果はありますか。

相談に来られる経営者やその候補の方は,問題点の整理ができていない状況の方が多いです。2次試験の与件文そのものの状況です。それを整理し,課題を抽出して文書化する。このスキルは,実務で役に立っています。先日参加した中小企業診断協会の会合でその会話をしたことがあり,大変盛り上がりました。

奥村先生の現在地と今後

――中小企業診断協会は、どこの協会に所属されていますか。

はい,神奈川県協会と東京協会の城南支部に登録しています。協会に所属するメリットは,さまざまなフィールドでご活躍されている先生と知り合えること,中小企業支援に関する業界情報を入手することだと感じています。ただ,2つも所属しているメリットは少ないかもしれません(笑)。

――中小企業診断士として今後どのような役割を果たしていきたいですか。

経営者が抱える悩みを整理して,課題を抽出し,解決策を提案する。経営資源の乏しい中小企業が頼れる存在として,中小企業診断士の役割は大きいと感じています。今後は,資格を取ったことに甘んじずスキルアップを継続し,自分が学んだ知識や経験を活かして地域企業の発展に貢献していきたいです。また,中小企業診断士という資格は,支援先の企業にとっても自分にとっても『羅針盤的な存在』になると考えています。

――『羅針盤的な存在』について教えてください。

羅針盤は,中小企業診断士のバッジのモチーフになっており,本来は中小企業の経営の指針を示すという意味が込められています。ただ,これは中小企業に対してだけでなく,自分に対しても当てはまると私は思っています。なぜなら,この資格を取得する前後で得られた経験が,私自身の価値観や将来のキャリア形成における大きな指針にもなっているからです。

多聞の一言感想

インタビュー全般を通じて,奥村先生は,中小企業診断士になる過程とその後に手に入れた羅針盤によって,確かな「人生航路」を進んでいくと確信しました。

南多聞

南多聞 取材の匠メンバー,中小企業診断士

専修大学法学部卒業の中小企業診断士,大手リース会社に長年奉職。企業審査,新規事業開発部門を経て現在は,事業企画や経理業務に従事。中小企業診断士の某受験校の講師も務めるパラレルワーカー。専門領域は,企業分析,ビジネスモデル研究,競馬予想と研究(勝ち馬投票券はほとんど買わない)。

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