【秋田謙作さんインタビュー】生涯現役、豊かな職業人生を送るために

【秋田謙作さんインタビュー】生涯現役、豊かな職業人生を送るために

【第3回 生涯現役をめざして】
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【秋田謙作さんインタビュー】

大手通信会社に勤めながら、2022年に中小企業診断士養成課程を修了した秋田謙作さんは、「養成課程がなければ僕、多分、中小企業診断士になってなかったと思います」と語る。学生時代から約25年を経て、一度は諦めかけた「診断士資格取得の夢」を実現させた。資格取得までの奮闘についてうかがった。

苦労した本業との両立

養成課程の指定科目の授業は、9割以上の出席が必須条件のため遅刻も欠席も許されない。また、定期的に課題が出されるため、平日も課題に取り組む必要がある。とにかく2年間は勉強漬けの毎日だった。秋田さんは「養成課程に通うためには、周りの理解が重要だった」と語る。会社では周りの人たちから「なんであいつは定時に帰るのか?」という見方をされることはやむを得なかったという。本業に迷惑をかけている分、養成課程で学んだ経験や知識をフィードバックするなど、会社への貢献を心掛けた。苦心の末、養成課程中心の生活スタイルを作り上げていったという。
それでも、突発的なトラブルが発生した場合は、優先的に対応せざるを得なかった。そんな場合は、睡眠時間を削って対応するしかない。夜を徹して復旧作業に努め、睡眠をとる暇もなく大学院に通ったこともあった。

時間捻出の工夫

2年間の養成課程は、想像以上のハードスケジュールだった。乗り切るために、時間を捻出することに徹底的に拘った。工夫した点をあげると「会社の飲み会は敬遠し、家でもお酒の量はぐっと減らした」「テレビやスマホでYouTubeは極力見ない」「毎日1時間半早起きをして、課題に取り組む」「職場での昼休みは、みんなと離れて学習時間にあてた」などである。そうした、一つひとつ積み重ねにより、課題に取り組む時間を確保したという。

2年間の挑戦と成長

養成課程で2年間に実務を理論的に棚卸した結果、本業においては、業務を常に全体的な視点で把握できるようになった。秋田さんは、「経営陣との建設的な対話が可能になった」と語る。また、個人事業主として起業したことで、外部の人脈も広がりセカンドキャリアの基盤ができた。厳しい養成課程の2年間を経た現在も、週末の時間を有効に活用し、自己のキャリア向上に注力している。

プロコンへの転身準備

秋田さんは、本業のキャリア終了のタイミングで独立し、プロコンとして活動することを目指している。当面は本業と副業を両立し、両方ともプロフェッショナルとして価値を高めることに注力していきたいという。特に、本業で培ってきたDXと組織人事業務の知見を活かし、中小企業経営者の支援に努めることに意欲を燃やしている。「セカンドキャリアは、自分の好きなことを自分の裁量で自由に取り組みたい。そのためには、今から社外でも通用するスキルやノウハウ、人脈を積極的に築いていきたい」と語る。

さらに、「中小企業診断士というキャリアは、異業種との交流を通じて新たな出会いや知識、情報を得ることが多く、自己の能力を高めることができます。また、社会に貢献しようとする志が、自己のキャリアを能動的に変える原動力になると信じています」と力強く語った。

養成課程のメリットと注意点

最後に、秋田さんに、養成課程のメリットと注意点について聞いた。

「中小企業診断士として中小企業の経営者を支援する能力を身に付けるためには、養成課程が非常に有益だと思います。その理由は、社会人として活動しながら、意欲的な仲間と共に学び、切磋琢磨できる貴重な経験を得られるからです。しかし、養成課程に取り組む際には、本業や家族など周囲の理解と協力が必要不可欠です。また、養成課程の通学期間中は負担が増えることを念頭に置いてください。しかし、養成課程の最大の利点は、厳しいカリキュラムを乗り越えた先に、資格取得が確約されることではないでしょうか。ぜひ、挑戦してみてください。」








鈴木 健一郎

鈴木 健一郎 取材の匠メンバー、中小企業診断士
岐阜県生まれ。デジタルサービス会社に勤務。経営管理スタッフとして、DXを活用した社内のプロセス革新を行う業務に従事。2024年3月、養成課程を修了し、5月に中小企業診断士登録。東京都中小企業診断士協会城西支部に所属。特技は手相占い。

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